【テーマ1】気候変動適応実践支援システムの構築と応用に関する研究

肱岡 靖明

Yasuaki Hijioka

テーマリーダー

国立環境研究所/気候変動適応センター


様々な分野を対象に気候変動影響のモデリングや適応策に関する研究を行ってきた。本プロジェクトでは、プロジェクトリーダーとテーマ1リーダーを務め、IPCC AR7や我が国の気候変動影響評価報告書(2030年)への貢献を目指して、研究全体の枠組みの提示や全体方針を設定、プロジェクト全体の成果を統合した「気候変動適応実践支援システム」の構築に取り組む。専門は、環境システム学、都市工学。

概要

テーマ1ではS-24プロジェクトで創出される科学的知見を統合するために、研究の全体方針を設定して提示する。また、本研究で開発する、適応策優先度ツールや適応経路推計ツールに加え、サブテーマ1(2)から提供される気候変動影響のトレンドと現状のリスクレベル、テーマ2~5と協働して開発する全国1㎞メッシュの影響予測結果群や適応策データベースを組み込んだ「気候変動適応実践支援システム」を構築する。また,適応を推進するステークホルダーの理解を促進するために、サブテーマ1(3)と協働して、持続可能な将来像に繋がる複数の適応のストーリーライン開発に貢献する。

研究の流れと研究体制

目標

本研究では、S-24プロジェクト全体で創出される様々な科学的知見を統合するために、プロジェクトで共通して利用する気候シナリオや社会経済シナリオ、将来影響予測の期間や時空間解像度、適応策データベースの項目など、研究の全体方針を設定して提示する。また、本研究で開発する、適応策優先度ツールや適応経路推計ツールに加え、サブテーマ1(2)から提供される気候変動影響のトレンドと現状のリスクレベル、テーマ2~5と協働して開発する全国1㎞メッシュの影響予測結果群や適応策データベースを組み込んだ「気候変動適応実践支援システム」を構築する。さらに、適応を推進するステークホルダーの理解を促進するために、サブテーマ1(3)と協働し同システムを活用して、プロジェクト全体の成果を踏まえた持続可能な将来像に繋がる複数の適応のストーリーライン開発に貢献する。

【サブテーマ1(1)】気候変動適応実践支援システムの構築

サブテーマリーダー

肱岡 靖明(国立環境研究所/気候変動適応センター)

概要

本研究では、S-24プロジェクトで創出される科学的知見を統合するために、研究の全体方針を設定して提示する。また、本研究で開発する、適応策優先度ツールや適応経路推計ツールに加え、サブテーマ1(2)から提供される気候変動影響のトレンドと現状のリスクレベル、テーマ2~5と協働して開発する全国1㎞メッシュの影響予測結果群や適応策データベースを組み込んだ「気候変動適応実践支援システム」を構築する。また,適応を推進するステークホルダーの理解を促進するために、サブテーマ1(3)と協働して、持続可能な将来像に繋がる複数の適応のストーリーライン開発に貢献する。

目標

  • S-24プロジェクトで共通して利用する気候シナリオや社会経済シナリオ、将来影響予測の期間や時空間解像度、適応策データベースの項目など、研究の全体方針を提示する。
  • 適応策優先度ツール、適応経路推計ツール、気候変動影響のトレンドと現状のリスクレベル、全国1㎞メッシュの影響予測結果群、適応策データベースを組み込んだ「気候変動適応実践支援システム」を構築する。

研究対象と計画

  • テーマ2~5リーダー及びサブテーマS-24-1(3)との協働による、S-24プロジェクト全体プロジェクト全体で共通して利用する社会経済シナリオ・気候変動シナリオ、将来影響予測の期間や時空間解像度、適応策に関して収集するデータ項目の設定
  • テーマ2~5との協働による、適応策データベースの開発
  • 適応策優先度ツール及び適応経路推計ツールの開発
  • 適応策優先度ツール、適応経路推計ツール、気候変動影響のトレンドと現状のリスクレベル、全国1㎞メッシュの影響予測結果群、適応策データベースを組み込んだ「気候変動適応実践支援システム」の構築
  • サブテーマ1(3)との協働による、ストーリーライン開発における気候変動適応実践支援システムの活用方法検討、及び、同システムの活用によるサブテーマ1(3)が開発する複数の適応ストーリーラインの定量的な裏付け情報の創出

【サブテーマ1(2)】気候変動影響検出と原因特定に関する手法開発

渡邊 学

Manabu Watanabe

サブテーマリーダー

blue and tech株式会社/調査研究部


2022年よりblue and tech株式会社を起業し、気候変動適応や影響、防災・環境・農業などの分野で、様々な分野の知見や経験を持つメンバーとともに、調査研究、データ収集・解析、コンサルティングに取り組んでいる。サブテーマ1(2)では、過去から現在において、既に生じている気候変動影響によるトレンドを明らかにするための研究・手法開発に取り組む。

概要

現状のリスクレベルを踏まえて手戻りの無い適応計画の立案や適応推進を行うためには、現時点における気候変動影響を検出しその原因を特定するための手法開発が必要である。そこで、複数の分野において長期的な観測データを収集・整備し、気候変動影響によるトレンド検出ならびに原因特定の手法を開発する。開発した手法を用いて、現状のリスクレベルを流域や地域において定量的に評価し、その結果を「気候変動適応実践支援システム」に実装する。

サブテーマ1(2)の概要

目標

  • 長期観測データの収集・整備、データ創出手法の特定・開発
  • 気候変動影響検出・原因特定手法の開発、手法指針の構築
  • 複数分野における現状のリスクレベルの定量的評価

研究対象と計画

  • 複数分野での影響検出・原因特定のために必要な長期観測データの収集整備
  • 解析可能なデータが不足する分野を想定したデータを作り出すための手法検討
  • 複数分野を対象とした影響検出・原因特定の手法開発。既往研究の手法を整理し、現状のリスクレベルの定量的評価で利用できる手法を特定
  • 影響検出・原因特定の手法に関して分野共通・独自の点について既往研究を基に整理
  • 複数分野における現状のリスクレベルの定量的評価を実施し、結果を「気候変動適応実践支援システム」に実装

【サブテーマ1(3)】気候変動適応のストーリーライン作成手法の開発

榎原 友樹

Tomoki Ehara

サブテーマリーダー

株式会社イー・コンザル


科学的知見と現場実践をつなぎ、気候変動対策の実装を進めることを目標に活動。研究分野では、「低炭素社会の実現に向けた脱温暖化2050プロジェクト」や「持続可能な開発目標とガバナンスに関する総合的研究」などに参画。実践分野では、地域新電力「能勢・豊能まちづくり」を通じた脱炭素と地域経済循環の両立に取り組むなど、緩和(Mitigation)の実務と政策設計に携わってきた。今後は、気候変動緩和分野での研究実績や地域での実践知を土台に、適応分野の研究成果を自治体政策へ落とし込む情報設計・合意形成の仕組みづくりに注力したい。

概要

本サブテーマでは、本研究課題の各サブテーマ、および既往適応研究等における科学的知見を可能な限り統合・集約し、一定の合理性を持った複数の将来像を社会全体のストーリーラインとして取りまとめることで、研究成果のアウトリーチに貢献するとともに、気候変動適応策に係るステークホルダーの長期的かつ合理的な計画策定や合意形成を支援することを目的とする。また、ここで開発したストーリーラインの策定手法について、今後、様々な場でも応用できるよう、可能な限り一般化させ、その具体的手順を整理・提案することを目指す。

サブテーマ1(3)の概要

目標

  • 適応策の社会受容性や緩和策との相互影響も考慮した一貫性あるストーリーラインの策定手法の開発
  • 社会環境の異なる多様な場におけるストーリーラインの複数提示

研究対象と計画

  • 共通シナリオの提示
  • 適応策導入条件の整理
  • ストーリーライン策定方法の開発・提案
  • 地域・場ごとのストーリーラインの試行的策定示
  • ストーリーライン策定方法の提案