自治体向け気候変動適応策オンラインガイドの提供
掲載日 | 2024年1月18日 |
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分野 | 普及啓発 |
地域名 | 海外(ドイツ) |
気候変動による影響
近年ドイツでは、気候変動の影響が顕著に現れ始めています。そのため多くの都市や自治体は、気候変動がもたらす暑さ、干ばつ、大雨などがインフラや建物に及ぼす影響に対処することが必要となっています。都市や自治体は、気候変動影響に備え、個々の影響のリスクを評価し、適応策を計画的に実施する必要があります。
取り組み
ドイツ連邦環境庁では、ドイツの気候変動の影響に適応する都市や自治体を支援するためのオンラインガイド「Klimalotse」を提供しています(図1)。「Klimalotse」は、以下の5つのモジュールで構成されており、さらに各モジュールの中で最大6つのセクションに分けられています(注)。
- 「手順の準備」
適応プロセスの開始と計画、気候変動への適応を行政レベルで実現するための支援、気候変動に関する必要な専門情報の確認方法について説明しています。 - 「気候リスクの特定と評価」
気候変動によって起因、または悪化する気候リスクを特定、分析、伝達するためのアプローチについて扱っています。 - 「目標と対策の策定」
特定された気候リスクに対処するための選択肢を提示し、自治体の適応戦略と対策の策定を支援します。 - 「対策の実施」
自治体における活動を定着させるための法的枠組みと選択肢に注目し、対策のための資金調達の選択肢を説明しています。 - 「適応のモニタリングと評価」
開始した活動の効果を中期的に確認し、さらに発展させるための方法を提案しています。
「Klimalotse」は、気候変動の影響に関する特別な予備知識を必要とせず、自治体の意思決定者または、気候適応担当者を段階的にサポートする内容になっています(図2)。また、自治体による実践好例や、ダウンロード可能なテンプレート、適応実践に役立つWebサイトや出版物へのリンクも提供されています。
効果/期待される効果等
「Klimalotse」の活用により、自治体は、気候リスクを体系的に把握し、適応策を計画するなど、適応に係る戦略を練ることが可能となります。
脚注
(注)ガイドラインの構成と記載されている内容は、気候適応に関する2つの国際規格、DIN ISO/TS 14092とDIN EN ISO 14091に基づいている。DIN ISO/TS 14092は、自治体の一般的な適応計画の要件とガイドラインを規定し、DIN EN ISO 14091は、現在および将来の気候リスクに対して、自治体が健全な気候リスク分析と評価を策定・実行できる方法を示している。
出典・関連情報