「気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)」は、気候変動による悪影響をできるだけ抑制・回避し、また正の影響を活用した社会構築を目指す施策(気候変動適応策、以下「適応策」という)を進めるために参考となる情報を、分かりやすく発信するための情報基盤です。

詳細なタイムラインの作成

掲載日 2018年10月4日
分野 自然災害・沿岸域
地域名 東北(福島県郡山市)

取り組み

郡山市は台風や前線の接近に伴う防災・減災のために、郡山市タイムライン(防災行動計画)を平成28年に作成、公表しました。このタイムラインは、約30項目の防災行動で構成されており、各組織の詳細な役割分担が明確に示されていない簡易的なものでした。

  

タイムラインを詳細化するため、平成29年に3回に及ぶ「郡山市タイムライン(詳細版)検討会」が開催されました(図1)。詳細版タイムラインでは、防災行動項目を332項目に細分化し、庁内関係部局や外部関係機関等の役割・行動を明確化し、市民への迅速かつ安全な避難誘導、円滑な避難所の開設等の災害対応を定めました(図2)。以前は自治体と福島河川国道事務所のみであった関係機関が、詳細版では警察・消防なども追加されるなど大幅に拡大されました。また、庁内外の関係機関が一堂に会したワークショップ形式での検討会であったため、防災担当の他に教育・福祉関係など非防災系の職員との意思疎通を通じ、担当者の顔の見える関係作りを行うことができました。

効果/期待される効果等

行政機関による防災行動を時系列毎にまとめた詳細版タイムラインの策定は、出水時に住民をいち早く、安全に避難させることに繋がります。平成29年10月22日から23日にかけて、超大型の台風21号が福島県を通過したときには、詳細版タイムラインによって的確な出水対応が行われました。

郡山市タイムライン(詳細版)検討会
図1 検討会の様子
(出典:国交省福島河川国道事務所「【河川】水防災意識社会再構築ビジョンにもとづき、「郡山市タイムライン(詳細版)検討会」を開催しました!」)
(左)簡易版タイムライン、(右)詳細版タイムラインの比較
図2 簡易版タイムラインと詳細版タイムラインの比較
(出典:国交省福島河川国道事務所、北上川下流河川事務「台風21号における郡山市の詳細版タイムラインの検証・展開について」)
出典・関連情報
国交省福島河川国道事務所「【河川】水防災意識社会再構築ビジョンにもとづき、「郡山市タイムライン(詳細版)検討会」を開催しました!」
http://www.thr.mlit.go.jp/Bumon/J77101/homepage/antenna/kawatopics/2017011101kasen.pdf
国交省福島河川国道事務所、北上川下流河川事務「台風21号における郡山市の詳細版タイムラインの検証・展開について」
http://www.thr.mlit.go.jp/bumon/b00097/k00360/happyoukai/H30/list%201/1-7.pdf
国土交通省ホームページ「タイムライン」
http://www.mlit.go.jp/river/bousai/timeline/index.html

タイムライン(防災行動計画)」「住民主体による防災マップ・タイムラインの作成」でも、タイムラインの事例を紹介しています。