「気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)」は、気候変動による悪影響をできるだけ抑制・回避し、また正の影響を活用した社会構築を目指す施策(気候変動適応策、以下「適応策」という)を進めるために参考となる情報を、分かりやすく発信するための情報基盤です。

集中豪雨による内水氾濫から生活を守る止水ソリューション

文化シヤッター株式会社

業種:製造業
掲載日 2021年6月15日
適応分野 自然災害・沿岸域

会社概要

文化シヤッター株式会社

昭和30(1955)年の創業から一貫して金属建具に携わり、現在は各種シャッター、住宅用建材、ビル用建材の製造及び販売を主な事業としている。建物の開口部に設けられる建具は、外部からの火・煙・風・水・人の出入りを抑制する要である。快適で安全な建物屋内の環境を提案し、持続可能な社会実現に向けてチャレンジを続けている。

気候変動による影響

地球温暖化による大規模自然災害の発生は増加の傾向を示し、モンスーンアジアに位置する国々の年間降水量は増加の一途を辿っている。特に一部の国では浸水被害によりあらゆる経済・都市機能が長期間にわたりストップするなど、根強い社会問題になっている。日本でも大型台風や特別警報クラスの降雨が頻発するなど、極端な気象現象が各地で毎年のように発生し、浸水被害が深刻化している。

適応に関する取り組み

弊社は創業以来、様々な災害から人々の命と暮らしを守る防災関連商品を提供してきた。大規模自然災害による浸水被害が深刻化する中、様々な場所や用途に応じた止水ソリューションの提供を通じて(図1)、減災に向けた自助の取り組みを支援している。

例えば、大型インフラ施設等には、専用設計で建物に合わせた性能やサイズをオーダーメイドで対応するタイプや、施設管理の無人化に対応した「浮力起伏式止水板」(図2)等を提案している。

また、普段出入りする扉として使える止水ドアや施工を伴わない止水板など「誰でも 簡単かつスピーディーに」をコンセプトとした普及型止水ソリューションを展開している。具体的には、繰り返して使用でき、かつ土嚢より遥かに効率的に浸水対策が可能な、シャッター等に付設するタイプの簡易型止水シートや、主に店舗などでの利用を目的に止水性能を発揮しながら人の出入りを可能にする簡易型止水板(図3)等を提供している。この普及型止水ソリューションは、製品の性能やサイズをあらかじめ製品仕様で規定するため、安定した品質と量産効果が期待できる。

効果/期待される効果等

極端な降雨量、急速に上昇する河川水位を鑑みると、浸水対策にはスピードが肝要である。当社の提案する普及型止水ソリューションは、シニア世代や女性一人でも持ち運べ、短時間で簡単に設置できるタイプや通常のドア自体に止水機能が付加されたものなど、いざという時の浸水に即応することが出来る。

大規模災害時に防災インフラとしての機能を果たす空港等の交通インフラ設備をはじめ、台湾、ベトナム、インドネシアなど、様々な水害により長期間にわたり都市機能がストップする可能性の高いアジアの国々等への防災・減災への貢献が期待される。

(図1) 浸水から都市機能を守る「止水マスターシリーズ」
(図2) 浮力起伏式止水板「アクアフロート」
(図3) BX止水板「ラクセット」