名称 2026 TCCIP International Workshop On Climate Change(IWCC 2026)、
意見交換会・綠色魔法學校視察
開催日 2026年5月11日、12日(IWCC2026)、13日(意見交換会・視察)
開催者 台湾・国家災害防救科技中心(NCDR)
開催地 台湾:台北市・台南市
参加者 気候変動の影響評価、適応に携わる日本・台湾・韓国3カ国の研究者、行政関係者

ワークショップは、台湾の国家災害防救科技中心(NCDR)が主催し、気候変動リスクに対して科学的知見や政策、地域の計画をどのように統合し、レジリエンスを構築するかを議論することを目的に開催されました。

5月11日~12日には、「影響要因と分析(Impact Drivers and Analysis)」「適応策と支援システム(Adaptation Actions and Support System)」「適応枠組みと政策(Adaptation Framework and Policy)」の3つを主要テーマとして、日本、台湾、韓国の3カ国の研究者や実務者が一堂に会し、各国の最新の研究成果や政策展開の共有を行いました。

5月13日は、台南市政府との意見交換会や台南市、韓国、日本の政策や研究成果についての共有、および綠色魔法學校への視察を行いました。

2026年5月11日~12日 ワークショップ

各国の適応に向けたこれまでの進捗と課題を紹介する基調講演ののち、以下の3つのセッションが行われました。

影響要因と分析(Impact Drivers and Analysis)

高解像度の気候データを用いた実践的な影響評価について多様な発表が行われました。
日本からは、将来の高解像度WBGT(暑さ指数)予測を用いた学校の屋外活動における熱中症リスク評価が行われ、活動スケジュールの見直し等の必要性を提示しました。台湾からは、CMIP6に基づく詳細な気象予測データの構築や、漁業・台風・健康・森林に関する影響評価の報告がありました。韓国からは、水資源や健康など複数分野にまたがるリスクと適応策の効果を統合的に評価するモデルの開発や、気候変動による経済的被害の定量的推計について共有されました。

適応策と支援システム(Adaptation Actions and Support System)

科学的データを実際の適応行動へ繋げるためのプラットフォームやツールの開発事例が紹介されました。
日本からは、気候と建物内のエネルギー消費を統合した都市空間モデリングについて紹介を行いました。台湾からは、リスク評価のクイックチェック機能を備えた「ARK(Adaptation Resources Kit)」や、気候変動報告書の内容から質問に回答するAIチャットボット、都市の暑熱緩和、災害と農業におけるリスクマップ開発、また国立科学博物館における個人のアクションに繋がる展示について紹介がありました。韓国からは、気候変動対策を都市計画などの空間計画に統合する際の障壁(「経済の言語」と「科学の言語」のギャップなど)に関する研究が報告されました。

適応枠組みと政策(Adaptation Framework and Policy)

適応策の実施とステークホルダーとの連携に向けた政策的なアプローチが議論されました。日本からは、将来の農作物収量予測の変動データをもとに、自治体が適応策を開始・転換すべき「緊急性」のタイミングを評価する指標の提案、地域気候変動適応センター(LCCAC)との連携や市民参加型アクションの紹介を行いました。台湾からは、科学的データを実際の行動に落とし込むための「2ステージ・6エレメント」の適応枠組みが紹介され、韓国からは、産業界や民間企業に向けた気候リスクの財務的影響開示を支援するプログラムの展開が共有されました。 

2026年5月13日 意見交換会および学校視察

台南市へ移動し、台南市政府との意見交換会が行われ、台南市、韓国、日本の政策や研究成果についての共有を行いました。
また、綠色魔法學校への視察を行いました。

台南市政府にて意見交換会

台南市政府を訪れ、NCDRやKACCCメンバーとの意見交換会を行いました。
日韓台の専門家が都市のレジリエンス強化に向けた知見を共有しました。台南市からは科学データに基づく独居高齢者の熱中症対策や、日よけ廊下等の都市設計、72時間自立可能な電源網の構築の紹介がありました。韓国の脆弱階層への支援や日本の学校における活動指針の共有も行われ、国境を越えた適応策の社会実装に向けた活発な議論が行われました。

綠色魔法學校 (THE MAGIC SCHOOL OF GREEN TECHNOLOGY)視察

綠色魔法學校は、台湾の国立成功大学に建設された、世界トップクラスの省エネ性能を誇る環境配慮型建築です。
自然換気システムや屋上緑化、リサイクル資材を駆使し、一般的なオフィスビルに比べ消費電力を大幅に削減しています。気候変動への適応を体現した、台湾の低炭素建築の象徴として紹介されました。

(2026年5月20日掲載)