高温で登熟しても玄米品質の劣化が少ない品種の奨励品種採用

掲載日 2018/7/25
分野 農業・林業・水産業
地域名 中国四国地区(広島県)

取り組み

近年、温暖化の影響と考えられる玄米品質の低下が全国的に問題となっており、広島県では特に標高100m以下の地帯に栽培される「ヒノヒカリ」で顕在化しています。そこで、「ヒノヒカリ」に近い熟期で農家が栽培しやすい特性を持つ、高温で登熟しても玄米品質の劣化が少ない「恋の予感」を奨励品種に採用しています。

「恋の予感」は最上位の葉が長く直立し、光合成に有利な草姿をしており、丈が低く倒れにくい多収品種です。また、高温下で登熟しても白未熟粒の発生が少なく品質が良好で、良食味です。今後、南部の「ヒノヒカリ」に替えて段階的に普及を図る予定です。

「恋の予感」の玄米(左).「ヒノヒカリ」(右)に比べて高温で登熟しても、白く濁った米が少ない
図1 「恋の予感」の玄米(左).「ヒノヒカリ」(右)に比べて高温で登熟しても、白く濁った米が少ない
(出典:農研機構報道発表)
「恋の予感」の立毛
図2 「恋の予感」の立毛
(出典:広島県立総合技術研究所「農業技術センターNews No.117」)

脚注
※「恋の予感」は、農研機構が農林水産省委託プロジェクト「気候変動に適応したイネ科作物品種・系統の開発(気候変動プロ)」等(平成22年~26年)で開発し、平成28年に品種登録されました。「恋の予感」は⾼温下で登熟しても⽩未熟粒の発⽣が少なく品質が良好で、良⾷味です。また、最上位の葉が⻑く直⽴し、光合成に有利な草姿をしており、丈が低く倒れにくい多収品種です。

出典・関連情報

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