ミストテントによる熱中症対策を通じた啓発活動

掲載日 2020年9月16日
分野 健康
地域名 関東(栃木県)

気候変動による影響

令和元(2019)年度栃木県気候変動影響調査によると、栃木県宇都宮市における年平均気温の長期変化傾向(統計期間:1898年〜2018年)は都市化の影響も受け100年あたり約2.33 ℃上昇しており、今後も地球温暖化に伴う気温上昇が予測されています。このような状況のもと、県内の熱中症搬送者数は2018年には過去最高を記録しました(図1)。栃木県では、身近で喫緊の課題である熱中症対策を通じて、気候変動に関する啓発等を行っています。

取り組み

栃木県では、環境省による「夏季のイベントにおける熱中症ガイドライン」において暑さ対策として推奨されるミストとテントを活用した一時休憩所「ミストテント」(図2・図3)を1基整備しました。テントによる遮熱、ミストの気化熱に扇風機の風を加える複合的な対策により、体感温度を下げることができます。
このミストテントは、県や市町が主催するイベント等に無料で貸し出しています(図4)。活動初年度である令和元年度は18件のイベント等で活用されました。

効果/期待される効果等

ミストテントを活用した熱中症対策に併せて、気候変動に関する啓発を行うことにより、イベント主催者による暑さ対策に向けた環境整備や、参加者一人ひとりの適応への行動変容につながることが期待されます。

栃木県における熱中症搬送者数(5~9月)の推移
図1 栃木県における熱中症搬送者数(5~9月)の推移
(出典:国立環境研究所 環境展望台ウェブサイト(2019年11月11日閲覧))
ミストテント
図2 ミストテント
ミスト発生機
図3 ミスト発生機
ミストテントを貸し出したイベント(栃木県保健環境センター公開デー)の様子
図4 ミストテントを貸し出したイベント(栃木県保健環境センター公開デー)の様子
出典・関連情報

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