九州地方の各自治体における熱中症対策
掲載日 | 2021年4月22日 |
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分野 | 健康 |
地域名 | 九州 |
気候変動による影響
近年、九州・山口県では、地球温暖化や都市化の影響、及び自然変動等により、年平均気温が100年あたり1.73℃の割合で昇温しています(注1)。また、九州北部地方における真夏日の年間日数は、10年あたり3.2日増加しています(注2)。
取り組み
こうした気温上昇の傾向を受け、九州地方の各自治体では熱中症予防対策を進めています。各自治体のウェブサイトに熱中症の症状や応急処置、予防対策、救急搬送数等といった熱中症に関する情報の提供を中心に、福岡県のように動画配信による普及啓発活動を行う例もあります(図1)。また、熊本県では、2016年の熊本地震や2020年7月の豪雨災害において、被災者の健康維持・増進を目的に、避難所や仮設住宅、公営住宅等の住民に対し健康情報リーフレットを作成・配布しており、熱中症の予防対策の強化を図っています。
2020年は、新型コロナウイルスの出現に伴い、感染防止の3つの基本である①身体的距離の確保、②マスクの着用、③手洗いや、「3密(密集、密接、密閉)」を避ける等の「新しい生活様式」が求められています。このうち特に、マスク着用による熱のこもりやすさ、呼気による放熱の難しさ、及び口の渇きを感じにくいことによる脱水への気づきの遅れは熱中症の発生を助長すると懸念されており、各自治体は「新しい生活様式」における熱中症予防行動を呼びかけています。多くの自治体は環境省・厚生労働省による資料の引用を行っていますが、大分県のように、独自のマスコットキャラクターを活用し、より親しみやすい内容になるよう工夫している自治体もあります(図2)。
効果/期待される効果等
県のホームページや関係機関・市町村を通して、熱中症弱者といわれる高齢者や子どもをはじめとした県民への予防対策の周知や注意喚起を広く行うことが、熱中症予防に繋がると期待されています。

(出典:ふくおかインターネットTV 「スポーツ活動中の熱中症予防」)

(出典:大分県ホームページ 「熱中症に気をつけて!!!~新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために~」)
脚注
(注1)統計期間:1898年~2019年
(注2)統計期間:1963年~2019年
出典・関連情報
- 福岡県ホームページ 「熱中症に気をつけましょう!(熱中症予防に関する情報提供)」(2020年7月15日更新)
- 福岡県 「福岡県環境総合ビジョン(第四次福岡県環境総合基本計画)」(2018年4月1日更新)
- 大分県 福祉保健部 「熱中症に気をつけて!!!~新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために~」
- 佐賀県ホームページ 「熱中症にご注意ください」(2020年10月1日更新)
- 熊本県ホームページ 「熱中症に注意してください!周囲の方への声かけもお願いします!~令和2年度(2020年度)の熱中症予防行動について」(2020年10月1日更新)
- 熊本県 「熊本地震デジタルアーカイブ~健康情報リーフレット~」
- 熊本県 「第五次熊本県環境基本計画(平成28~32年度)」(2020年8月1日更新)
- 宮崎県 「熱中症に気をつけましょう」
- 福岡管区気象台 「九州・山口県の気候変動監視レポート 2019」(2020年5月)