スポーツ施設における高温時の対応

気候変動による影響

兵庫県豊岡市は全国屈指の酷暑地域であり、その日最高気温・平均気温・日最低気温の年平均値は、数年～数十年の様々な周期の変動を繰り返しながら上昇しています。その要因として、気候変動による長期的な上昇傾向や都市化の影響、数年～数十年程度の時間規模で繰り返される自然変動が重なっていることが考えられています。さらに、近年は猛暑日や熱帯夜の日数も増加傾向にあり、予防方法などの情報発信を強化しています。

取り組み

豊岡市は、気温の上昇により、21世紀末の熱中症搬送者数が20世紀末に比べて約3倍に増加すると予測しており、熱中症の予防方法や熱中症になった場合の対処について、ポスターやリーフレット、市広報や市ホームページなどで普及啓発を行っています（図１）。また、公共施設をクールスポットとして開設し、涼を分かち合うクールシェアを推進しています。

さらに、法改正により、2024年4月に「熱中症特別警戒情報（一般名称「熱中症特別警戒アラート」）」が創設されたことを契機として、豊岡市内のスポーツ施設などにおける高温時の取扱いについて、以下の通り定めています（図２）。

■熱中症特別警戒情報（熱中症特別警戒アラート）（注１）が発表されたとき
冷房設備のないスポーツ施設など（学校開放含む）を臨時休場・休館とします。このとき、該当する日の利用申込などは取消しとなり、使用料は全額還付します。

■熱中症警戒情報（熱中症警戒アラート）（注２）が発表されたときなど
兵庫県に熱中症警戒情報（一般名称「熱中症警戒アラート」）が発表されたとき、または観測地点「豊岡」もしくは使用するスポーツ施設などの暑さ指数（WBGT）（注3）が31以上（参考気温35度以上）の状況のとき、冷房設備のないスポーツ施設等（学校開放含む）を、熱中症予防を理由としてキャンセルした場合は、使用料を全額還付します（ただし、使用前にキャンセルした場合に限ります。なお、一日使用する予定を暑さのため午前の使用中に中止と判断された場合は、午後区分以降の使用料は還付します）。

なお、豊岡市は、公益財団法人日本スポーツ協会の「熱中症予防運動指針」を受け、WBGTが31以上の場合は、高温環境で大人以上に過酷な熱ストレスを受ける子どもの運動を中止すべきとしています。

効果／期待される効果等

炎天下でのスポーツについて、高温時における施設などの臨時休場・休館（利用許可の取消し）や、利用する場合でも十分に熱中症対策を行うなど、無理のない利用により、重大な健康被害から利用者を守ることができます。