熱中症から大田区民のいのちを守る産官学連携の取組
| 掲載日 | 2025年10月24日 |
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| 分野 | 健康 / 国民生活・都市生活 |
| 地域名 | 関東(東京都大田区) |
気候変動による影響
気候変動の影響により、全国的に真夏の平均気温が高くなり、連日猛暑日を記録する地域が多発しています。その結果、熱中症救急搬送総数も高い水準で推移しています。大田区も例外ではなく、一層の熱中症対策が求められています。
取り組み
大田区では令和6年度から、産学官が連携し熱中症から区民のいのちを守る活動をしています。効果的な熱中症対策を実施するにあたり、東邦大学と連携し大田区の現状分析を行いました。この分析結果等を活用し、中等度以上での搬送が多い高齢者、地域ごとに違う発生場所を踏まえた周知・啓発活動を展開しています。令和7年度には、独立行政法人環境再生保全機構の「令和7年度地方公共団体における効果的な熱中症対策の推進に係るモデル事業」に採択され、啓発資料の作成や支援者側の理解促進のための熱中症対策講座の開催、企業との連携による体育施設内の温度変化の実証実験など、産学官が連携して取り組んでいます。
1.正しい知識をわかりやすく伝える周知・啓発資料の作成
大田区民のだれもが、熱中症からいのちを守ることができるように、東邦大学の協力により周知・啓発資料を作成してきました。令和7年度は、①暑熱順化、②高齢者、③屋内、④こども、⑤屋外、⑥働く人、⑦職場環境の7つのテーマにわけて、ちらしやポスターを作成しました(図1)。また、ポスターの内容をショート動画にして、配信しています(図2)。大田区熱中症対策キャラクター「ちえぼう」と一緒に、発見・そうなんだ(理解)・やってみよう(行動)の3つのステップで学びを深めます。
2.熱中症に関する専門家からの講義
東邦大学医学部の専門家と連携し、「官学連携人材育成講座」として、熱中症対策に関するオンライン講座を開催しました。講座では、職場における熱中症対策、高齢者の熱中症対策、データから見る大田区の熱中症に関する内容で実施しました。講座の開催後は、動画をHPに掲載しており、どなたでも視聴が可能です(図3)。
3.産官学連携の協力で熱中症対策に向きあう熱中症コンソーシアムの設立
令和6年度に大田区・東邦大学・大塚製薬が連携して熱中症対策に取組む連携協定を締結しました。その後、この活動に賛同する企業が参加し、大田区熱中症対策コンソーシアムとなりました。各社の強みを活かし、区民の皆さんを熱中症から守る活動を行っています。
効果/期待される効果等
これらの取り組みを通じて、大田区民が熱中症に関する正しい知識を理解し、適切な予防行動につなげられることが期待されます。また、本人のみならず周囲が知識を高めることで、熱中症の早期発見、早期対応も可能になると考えられます。

(出典:東邦大学 教育・研究支援センター「大田区熱中症対策ポスター」)

(出典:東邦大学 教育・研究支援センター「大田区熱中症対策動画ショート動画(大田区公式YouTubeチャンネル)」)

(出典:東邦大学 教育・研究支援センター「大田区熱中症対策動画コンテンツ」)
出典・関連情報