地下水を見える化したコンサルティングサービスの提供
Water Scape 株式会社
業種:学術研究、専門・技術サービス業
| 掲載日 | 2025年7月3日 |
|---|---|
| 適応分野 | 水環境・水資源 / 産業・経済活動 |
会社概要

Water Scape株式会社は、サントリーグループの研究活動(注1)で培った技術や知見を活かし、社会全体の「水」のサステナビリティの実現を目指して、新事業として設立された。
気候変動による影響
世界人口の増加や開発途上国の経済成長、気候変動などにより、世界規模での水資源問題が発生している。世界的な水不足には多くの問題が絡んでおり、水は飲用や生活用水としてだけでなく、食料の生産にも多く使われている。
適応に関する取り組み
当社は、水文学(注2)を基盤とした科学的なデータやエビデンスをもとに地下水を可視化して、工場運用経験によるノウハウ・メソッドから生まれた、持続可能な用水確保に向けた取り組みをサポートしている。
具体的には、企業などの事業者の置かれている状況や獲得目標のヒアリングやデータ分析の元、地下水量の診断やモニタリング、持続可能な用水確保のための投資計画も含めたアクションプラン策定(支援)などのメニューをカスタマイズしてコンサルティングサービスを提供する(図1)。
ケーススタディとして、大手自動車メーカーに対する井水枯渇対策立案に向けた診断サービスを紹介する。
<自動車メーカーの問題・課題意識>
- 井戸が徐々に使えなくなっている状況で、中長期水量確保に向けた対策の立案が必要。
- 水サステナビリティの為の設備投資の必要性を説明するために、持続的に利用可能な地下水の水量の推定が必要。
<当社が提供したソリューション>
- 保有している井戸の現状や、周辺環境の変化を調査・分析し、持続的に利用可能な水量を推定。
- その上で、工場稼働に必要な水量確保に向けたアクションプランを提案。
効果/期待される効果等
当社が提供する「地下水を見える化」し、持続可能な用水確保に向けた取り組みを支援するサービスにより、例として以下の効果が期待される。
◆事業・工場操業のリスク軽減
工場が使用可能な地下水の量を可視化し、管理することができる。
◆アクションプラン構築
生産活動を維持・増強するために必要なアクションプランを構築できる。
◆社内外への報告・説明
経営層や株主等に対して、水リスク対応における投資の説明ができる。
また将来的には、健全な水循環への貢献を志す企業や地域社会に向けて、それぞれの活動の価値向上に向けた活動支援も実施していく(図2)。


脚注
(注1)サントリーグループでは、サントリーグローバルイノベーションセンター(株)水科学研究所において、水源を育む森の涵養研究をはじめ、科学的なアプローチに立った水の研究を国内外で幅広く進めている。その研究内容は、「サントリー 天然水の森」活動の地下水涵養量の推計や、世界各地の水の希少性を反映した水利用の影響評価指標の開発等に活用されている。
(注2)雨・雪・氷や、地表水・地下水、水質や水資源など、広く自然界の水循環について研究する学問。
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