カラダの中から冷やす“アイススラリー”をつくる、冷蔵庫
シャープ株式会社
業種:製造業
| 掲載日 | 2025年6月19日 |
|---|---|
| 適応分野 | 健康 / 国民生活・都市生活 / 産業・経済活動 |
会社概要

シャープ株式会社は、AV機器、家電、携帯電話/通信/情報機器、液晶/電子デバイス、エネルギーシステム、事務機器など、幅広い事業展開を行っている電機メーカーであり、創業者早川徳次の言葉「他社がまねするような商品をつくれ」に従い、1912年の創業以来、次の時代のニーズをいち早く形にしたモノづくりに取り組み、社会に貢献し、信頼される企業を目指している。
気候変動による影響
気候変動の影響により、国内では近年、年平均気温が上昇しており、熱中症による救急搬送人員や熱中症死亡者数が高い水準で推移している。猛暑日の日数が年々増加する中、効果的な暑熱対策がますます求められている。
適応に関する取り組み
当社は、市販のペットボトル飲料から簡単にアイススラリー(注1、図1)を生成できる「アイススラリー冷蔵庫」を開発した。アイススラリーは、そのまま飲み込むことで、微細な氷が融ける際に体内の熱を奪い、冷却効果が高い点が特徴である。
一般的な冷凍庫の場合、スポーツドリンク等の飲料を冷凍庫に保存すると凍ってしまうが、アイススラリー冷蔵庫は、当社独自のファン制御と冷気の風路構造により、庫内の細かな温度制御と温度ムラの抑制を実現した。本技術によって、市販のペットボトルを一定時間冷やすことで、過冷却(注2)の状態に保つことを可能としている(図2)。
飲む前に飲料を取り出して、ボトルを振るなどして衝撃を与えることで、簡単にアイススラリー化できる(図3)。なお、飲料の種類によってアイススラリー生成に適した温度が異なることから、9段階での細やかな温度設定機能を搭載している。
また当社は、2025年5月22日より法人向けレンタルサービスを開始した。サイズもコンパクトであることから(注3)、休憩スペースに設置しやすいほか、宅配便による搬送も可能とする。期間限定の現場やスポーツの遠征先など、設置場所の変更も容易となる。
効果/期待される効果等
当社のアイススラリー冷蔵庫の活用により、工場や建設・土木工事の現場の他、スポーツ施設などさまざまなシーンにおける暑熱対策が期待される。



脚注
(注1)アイススラリーは、微細な氷と水が混合した流動性のあるフローズン状の飲料である。
(注2) 過冷却とは、凍り始める温度以下になっても氷にならず液体の状態を保つ現象のこと。
(注3) 最小必要設置スペース(幅535mm×奥行646mm×高さ870mm)
年間消費電力量の測定条件とは異なる。設置条件により若干異なることがあるため、10mm程度余裕をとること。ハンドル・調整脚・最小放熱スペース含む。
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