放射熱を反射し熱中症リスクを軽減する屋内用遮熱シート
文化シヤッター株式会社
業種:製造業
| 掲載日 | 2025年7月29日 |
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| 適応分野 | 健康 / 国民生活・都市生活 |
会社概要

昭和30(1955)年の創業から一貫して金属建具に携わり、現在は各種シャッター、住宅用建材、ビル用建材の製造及び販売を主な事業としている。建物の開口部に設けられる建具は、外部からの火・煙・風・水・人の出入りを抑制する要である。快適で安全な建物屋内の環境を提案し、持続可能な社会実現に向けてチャレンジを続けている。
気候変動による影響
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の 第6次評価報告書では、 世界平均気温は工業化前と比べて、2011~2020年には1.09℃上昇し、過去2000年で最も高い気温であったことを報告している。さらにこの観測値は過去10万年間で最も温暖だった数百年間の推定気温と比べても前例のないものであるとされている。日本国内では熱中症による災害発生件数が年々増加傾向にあり、早急な対策が求められる中、2025年6月には、「労働安全衛生規則」の一部を改正する省令が施行され、熱中症の早期発見や、重篤化防止への対策が事業者に義務付けられた。職場における熱中症予防基本対策要綱に基づいた、熱中症対策の強化が求められている。
適応に関する取り組み
文化シヤッターでは「エコ&防災事業」を注力事業に位置付け、緩和と適応に寄与するソリューション提供に取り組んでいる。その一環として、適応ソリューションを拡充すべく、あらたに「遮熱事業」を本格スタートさせ、屋内用遮熱シート「はるクール」を発売した。
「はるクール」はアルミ箔を使用した不燃性の遮熱シートで、屋根からの放射熱(遠赤外線)をカットすることで室温やWBGT(暑さ指数)(注1、図1)の上昇を抑え、熱中症予防に効果を発揮するものである。特に工場や倉庫、体育館など大型施設では高い効果が期待できる(図2、図3)。
本製品の主な特長は、以下の通りである。
①省エネ
シートの遮熱性能によって最高97%の放射熱をカットし、建物の省エネ効果を向上させる。
当社のライフイン環境防災研究所(注2)において「はるクール」あり、なしの2棟の実験棟を用いた試験を行い、室内温度とエアコンの消費電力量の比較検証を実施した。その結果、「はるクール」には室内温度の抑制、節電に効果があることを確認している(図4)。
②高品質
極端な温度変化の下でも素材が変化することなく安定して効果を発揮する。また、国土交通省不燃材認定を取得している。
③軽量・丈夫
工事の負担が軽減され、設置作業がスピーディにできる。また空調などの風に対し十分耐えられる素材を使用しており、長持ちする。
効果/期待される効果等
「はるクール」の施工によって屋根からの放射熱を反射し97%カットすることで、建物内の温度上昇を抑え、熱中症予防に効果を発揮する。また、荷物へのダメージ軽減やエアコン代の削減に加えて、耐久性に優れるためランニングコスト低減にも大きく貢献する。
当社グループは、今後も遮熱事業を含めた「快適環境ソリューション」に積極的に取り組むことで、“人、社会、環境にやさしい多彩なモノづくりで人々の幸せを実現する”発想のもと、地球および社会環境に貢献するソリューションを提案していく。




脚注
(注1) 暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度)とは、熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標のこと。人体の熱収支(熱のやりとり)に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた人体と外気との熱収支に着目した指標である。
(出典:環境省熱中症予防情報サイト 暑さ指数とは?)
また、「気温1割」「湿度7割」「輻射熱2割」で構成されており、当社の「はるクール」は、輻射熱を大幅にカットすることでできる。
(注2) ライフイン環境防災研究所は、各種性能試験など基礎技術の研究から商品の評価・検証までを行う当社の総合的な試験・研究施設である。国際規格ISO/IEC 17025を取得した研究施設として技術能力を認定されており、当社グループ内の品質確保・向上だけでなく、外部からの委託試験を受け入れ、第三者機関として客観的な評価も行う。
(参考:https://www.bunka-s.co.jp/corporate/led/)
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