冷感プリント加工生地を施した衣類の展開
株式会社リベルタ
業種:卸売業・小売業
| 掲載日 | 2025年8月25日 |
|---|---|
| 適応分野 | 健康 / 国民生活・都市生活 /産業・経済活動 |
会社概要

株式会社リベルタは、蓄積された過去の「ヒット商品」情報を独自分析して新しいニッチニーズを生み出し、適合する商材の企画や国内外における商材の発掘を行っている。企画された商品は自社ブランドとして生産(ファブレス)を行い、発掘した国内外の商材は独占販売契約を締結して契約ブランドとし、自社ブランドと共に自社企画によるプロモーション、販売、顧客リレーションまで一貫した事業を行っている。
気候変動による影響
地球温暖化による気候変動は、すでに私たちの生活や自然生態系にさまざまな影響を及ぼしている。たとえば、温暖化による健康影響の中でも、日本において特に大きな問題となるのが熱中症である。近年、夏期の猛暑日の増加と共に熱中症患者数が増加しており、特に屋外で働く人、スポーツをする人、キッチンで火を使う人など様々なシーンで実際に起こっている。
適応に関する取り組み
当社は、猛暑対策に特化した機能衣料「FREEZE TECH」を展開している。
FREEZE TECHは、裏地全面にエリスリトール、キシリトールを含有した冷感プリントが施されており、人の皮膚から発生する水分(汗)を吸収することで、その吸熱特性により生地温度が下がり、冷感を付与する。この特性を検証するため、冷感プリントの加工生地と未加工生地にそれぞれに水を滴下し、湿潤部における温度変化を比較する実験を行った。その結果、冷感プリントの加工生地が2℃低くなり、本機能の有効性が確認された(注1、図1)。
加えてFREEZE TECHは、風を受けることによってさらに冷感が増すという特性を有している。この点について、暑熱環境下(注2)においてエアロバイクを使って運動する健康な男性に対し、運動開始15分後に風を当て、衣服内の温度・相対湿度の変化を観察した。その結果、風を当てた後に衣服内の温度・相対湿度ともに顕著な低下が確認された(注3、図2)。
耐久性に関しては、冷感プリントの加工生地を何度も洗濯することを想定した実験を行い、冷感プリントの剥がれや冷感性能の劣化がないかを検証した。その結果、50回の洗濯後でも冷感プリントの剥がれはなく、冷感性能の低下も見られなかった(注4、図3)。
また、当社はESG経営の取り組みの一環として、2021年に「HEAT RESCUE PROJECT(注5)」を始動した。その中で、大学のアメリカンフットボールチームを対象にFREEZE TECHの着用体感についてのアンケート調査を実施したところ、半数以上が「一般的な接触冷感機能インナーよりも涼しい」と回答した。さらに、「速乾性についてかなり優れていると感じた」や「止まっているときに風が吹くと涼しかった」「汗が乾いた後のベタつきもなく着心地が良かった」など、FREEZE TECHの冷感効果を実感する声が多く寄せられた(図4)。
効果/期待される効果等
FREEZE TECH製品の着用により、暑熱環境下で作業をする建築業や農業などに加え、バイクや釣りなどの趣味やスポーツ活動においても、熱中症予防対策の一つとしての効果が期待される。




脚注
(注1) 実使用環境では冷感の感じ方に個人差があり、効果を保証するものではない。
(注2) 人工気象室(副室)内を気温28℃・相対湿度60%で一定となる環境。
(注3) 2019年に実施された「熱中症ゼロへ」プロジェクト暑熱環境・運動環境下を想定したフリーズテックと夏用アンダーウェアとの比較実験による。
(注4) 洗濯環境によって異なるため、効果を保証するものではない。
(注5) 直射日光から肌を守り、汗の吸収と蒸発によって体熱を冷ます「服の力」に着目し、自治体や地域住民、スポーツ団体などへの暑さ対策の提案や、熱中症対策の関連事業を展開する企業との協働などを推進している。
自社関連サイト