24時間体温モニタリングシステム「Hal-Share」と熱中症初動救護アイテム「熱中症救護袋」
ナインバード株式会社
業種:製造業
| 掲載日 | 2026年6月15日 |
|---|---|
| 適応分野 | 健康 / 国民生活・都市生活 |
会社概要

ナインバード株式会社は、ヘルスケア×IoT×AIの融合による新しい健康管理ソリューションを提供してきた。体温変化をクラウドで管理するシステム「Hal-Share(ハルシェ)」や、熱中症対策用の救護袋など、健康管理と安全対策に特化したソリューションの提供により、企業や自治体のリスク管理やBCP対策に貢献している。
気候変動による影響
猛暑の深刻化により、熱中症による救急搬送者は急増の一途を辿っている。総務省消防庁の統計によれば、2025年には全国で10万人以上が熱中症によって救急搬送され、これは調査開始以降最も多くなった(注1)。特に屋外作業現場・スポーツイベント・教育機関において、従来の応急処置では対応が難しい重症化ケースが相次いでおり、発熱情報の計測や現場での1分でも早い体温管理が必要となっている。
適応に関する取り組み
当社では、暑熱環境下における健康管理と熱中症発生時の初動対応を支援するため、体表温情報共有システム「Hal-Share(図1)」と初動救護用品「熱中症救護袋(図2)」を開発し、提供している。
「Hal-Share」は、身体に装着したコイン型センサにより、1分または5分間隔で体表温を自動計測し、そのデータをリアルタイムでクラウド上に蓄積するシステムである。イベントやスポーツ活動、作業現場、施設など、多人数の体調を把握する必要がある場面で、本人や管理者が体表温情報を確認し、見守りや健康管理に活用できる。
※「Hal-Share」は、体表温の計測情報を記録・共有するシステムであり、熱中症、感染症その他の疾病の診断、治療、予防または判定を目的とするものではない。
一方、「熱中症救護袋」は、熱中症が疑われる方を発見した際に、救急要請と並行して行う身体冷却、状態確認および救急隊への引継ぎなどの初動救護活動を補助する救護用品である。日本救急医学会による『熱中症診療ガイドライン2024』(注2)では、重症熱中症への対応において、深部体温を迅速に38℃以下まで低下させることの重要性が示されており、本製品は現場で水道水などを用いた身体冷却を開始しやすくすることを目的に開発した。
本体には、次のような機能・構造を備えている。
- 身体の広い範囲を冷却しやすい構造
- 使用中も意識、呼吸、顔色などを確認しやすい頭部開口構造
- 複数人による姿勢保持や移動を補助する8箇所の取手
これにより、身体冷却を行いながら傷病者の状態を確認し、救急隊への円滑な引継ぎを支援する。
※「熱中症救護袋」は医療機器ではなく、熱中症の診断、治療または治癒を目的とするものではない。熱中症が疑われる場合は速やかに救急要請を行い、傷病者の状態を確認しながら、救急隊または医療従事者の指示に従うこと。
当社は2023年から2025年にかけて、大阪大学大学院医学系研究科健康スポーツ医学教室の協力のもと、スポーツ庁「Sport in Life推進プロジェクト」の採択事業として、テニス大会や高校野球大会における体表温データの収集、分析および研究を実施してきた。これらの取り組みを通じて、熱中症が疑われる方を早期に把握するための見守り体制と、発見後に速やかに初動対応を開始できる環境を事前に整備しておくことの重要性を確認した。
効果/期待される効果等
「Hal-Share」の活用により、計測した体表温情報を本人と管理者の間で共有することで、多人数を対象とした見守りや健康管理業務の効率化が期待される。また、「熱中症救護袋」を事前に設置し、使用責任者・連絡体制・対応手順を整備しておくことで、熱中症が疑われる方を発見した際に、救急要請と並行して初動対応を開始しやすくなる。
さらに、2025年6月1日に施行された改正労働安全衛生規則では、一定の暑熱環境下での作業において、熱中症のおそれがある労働者を早期に把握するための報告体制や、症状悪化を防ぐための対応手順の整備・周知が事業者に求められている。「熱中症救護袋」の導入と事前訓練は、こうした現場の対応体制を具体化する手段の一つとして活用できる。
当社は今後も、企業、学校、スポーツ施設、イベント会場、自治体施設、介護施設などへの設置を進めるとともに、導入先から得られる使用状況や運用上の課題を、製品および運用方法の継続的な改善に反映していく。


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