一般財団法人日本不動産研究所
株式会社イー・アール・エス
株式会社建設技術研究所
業種:学術研究、専門・技術サービス業
| 掲載日 | 2026年7月9日 |
|---|---|
| 適応分野 | 自然災害・沿岸域 / 産業・経済活動 |
会社概要

一般財団法人日本不動産研究所は、不動産に関する理論的・実証的研究、鑑定評価、コンサルティング業務等を先導的に展開している。
株式会社イー・アール・エスは、不動産に関わる広範なリスクマネジメントについて、様々なお客様にエンジニアリングに立脚するサービスを提供し続けている。
株式会社建設技術研究所は、河川や道路、防災などの社会資本整備において、企画・調査から設計・維持管理までサポートする国内初の総合建設コンサルタントである。
気候変動による影響
近年、我が国では地震、津波、高潮、水害、土砂災害などの自然災害が頻発している。特に水害に関しては、令和元年東日本台風(2019年)をはじめとする大型台風や局地的豪雨により、各地で甚大な被害が発生している。都市や建物の被害を最小化し、災害後のレジリエンス(回復力)を高めることは、不動産分野に携わる者にとって重要な責務である。
適応に関する取り組み
「不動産分野におけるレジリエンス検討委員会(D-ismプロジェクト)(注)」は、自然災害に対する不動産のレジリエンスを定量化・可視化する認証制度「ResReal(呼称:レジリアル)」を創設した。2023年1月より「水害版」の認証サービスを開始し、2025年6月には「地震版」の認証受付も開始された。
以下に「ResReal(水害版)」の概要を解説する。
- 運営主体と認証スキーム(図1)
| 運営主体 | 認証スキーム |
|---|---|
| 一般財団法人日本不動産研究所 (認証機関) | 依頼の受付及び認証の付与 |
| 株式会社イー・アール・エス (評価機関) | 認証ランクの判定に必要となる個別不動産のレジリエンス評価(スコアリング) |
| 株式会社建設技術研究所 (評価機関) | スコアリングに必要な個別不動産の立地におけるハザード評価 |
- 「ResReal」の評価対象とスコアリングの仕組み
評価の対象は日本国内の不動産の土地、建物及びその運営としており、評価対象となる不動産のレジリエンスは、4つの要素(①頑強性(立地・建物)②冗長性③即応性④代替性)に加えて雨水貯留槽の設置や地域との連携といった取組みの先進性を考慮して評価を実施する(図2)。これは、立地条件だけでなく、建物の設計や設備の違い、運用面の対策によって、レジリエンスに大きな違いが生じるためである。よって、同一の立地条件にある建物であっても、ハード・ソフト対策を講ずることによって、レジリエンスの評価が高まるような仕組みとなっている。
- 評価結果の認証ランクと表示
スコアリングの評価結果は5段階(Platinum〜Standard)で認証・表示され、認証取得者には認証書・評価レポート・認証ラベルなどが交付される(図3)。
| グレード | スコア | 評価 | |
|---|---|---|---|
| Platinum | ★★★★★ | 90点以上 | レジリエンスが極めて高い |
| Gold | ★★★★ | 80点以上、90点未満 | レジリエンスが大変高い |
| Silver | ★★★ | 65点以上、80点未満 | レジリエンスが高い |
| Bronze | ★★ | 45点以上、65点未満 | レジリエンスがやや高い |
| Standard | ★ | 15点以上、45点未満 | レジリエンスが一般的 |
効果/期待される効果等
「ResReal」は、不動産所有者にとっては、保有資産のレジリエンスを可視化し、改善に向けた具体的な手がかりを得る手段となる。また、金融機関や鑑定機関にとっては、不動産価値を評価する新たな指標となり、テナントや利用者にとっては物件選定時の信頼性ある判断基準として活用できる。さらに、ゼネコンやデベロッパーにとっては、自然災害に強い建物開発を進めるうえでの設計・企画の指針となることが期待されている。



脚注
(注)一般財団法人、民間企業の7社により2019年に発足。