ブロードバンドジャパン株式会社
業種:情報通信業
| 掲載日 | 2026年10月13日 |
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| 適応分野 | 健康 / 国民生活・都市生活 |
会社概要

ブロードバンドジャパン株式会社は、東京都千代田区に本社を置くIT企業。クラウド・通信技術を活用したサービスの企画・開発を行っており、職場の熱中症予防見守りシステム「heat119」を開発・運営している。「heat119」は、建設業・製造業など暑熱環境下で作業を行う事業者を対象に、朝の体調確認からリスク判定、現場リーダーへの通知、記録の保存まで、熱中症対策の一連の運用を支援するクラウドサービスである。
気候変動による影響
気候変動の影響による気温上昇に伴い、職場における熱中症のリスクは年々高まっている。職場での熱中症による死傷者数は近年高い水準で推移しており、その多くは建設業・製造業など暑熱環境下での作業を伴う業種で発生している(注1)。 こうした状況を受けて2025年6月に改正労働安全衛生規則が施行され、一定の暑熱環境下で作業を行う事業者には、熱中症の自覚症状がある労働者やそのおそれがある労働者を早期に発見し重篤化を防ぐための「報告体制の整備」「実施手順の作成」「関係者への周知」が罰則付きで義務付けられた(注2)。事業者には、冷却用品の配布や環境測定といった個別の対策にとどまらず、日々の体調把握から異常時の報告・対応、記録までを含む組織的な運用が求められている。
適応に関する取り組み
当社は、朝の体調記録を起点として熱中症リスクを作業開始前に把握し、改正労働安全衛生規則が求める体制の運用までを一体で支援するクラウドサービス「heat119」を提供している。
「heat119」には以下の特徴がある。
●朝の体調記録と複合リスクスコア(特許出願中)
作業開始前に、本人が体調・睡眠・飲酒・朝食の4項目を入力する。この申告情報に、暑さ指数(WBGT)(注3)、暑熱順化(注4)の状況、年齢を組み合わせて「複合リスクスコア」を算出し、その日に熱中症リスクが高い作業者を作業前に特定する(図1)。外見や生体反応に異常が現れる前の、本人の自覚と生活状況に基づく事前予防である。この、朝の体調記録と暑熱順化の状況を組み合わせて熱中症リスクを判定する「体調管理による熱中症対策」の手法は、当社が特許出願中の独自技術である(注5)。
●共用タブレットによる導入と個人スマートフォンへの移行
現場に共用タブレットを設置するだけで運用を開始できる。顔認証は本人の識別のみに用い、健康状態の判定はあくまで本人の申告と環境データに基づいて行う。初回登録後はQRコードを読み取ることで個人のスマートフォンからも入力でき、端末を増やさずに利用者を拡大できる。
●現場リーダーへの自動通知
リスクスコアが高い場合や体調異常の申告があった場合には、現場リーダーへSMSで自動通知し、声かけ・作業調整・休憩指示につなげる(図2)。改正規則が求める「報告体制」を、日常の運用として機能させる仕組みである。統括管理者は、複数現場の体調状況を管理画面で一括して把握できる(図3)。
●記録の蓄積による義務化対応
体調記録・リスク判定・通知の履歴はクラウドに自動保存され、体制整備や周知の実施状況を記録として残すことができる。建設現場等で広く実施されてきた朝礼時の健康KY活動をデジタル化するものであり、現場の従来の運用を大きく変えることなく導入できる。
効果/期待される効果等
「heat119」により、その日、熱中症リスクが高い作業者を作業開始前に把握し、声かけや作業配置の調整、休憩の優先順位付けといった予防行動につなげることで、熱中症の未然防止が期待できる。また、日々の体調確認と通知・対応の履歴が自動的に記録されるため、改正労働安全衛生規則が求める体制の整備・運用を客観的に示すことができる。 蓄積された体調・環境データの分析により、現場ごと・時期ごとのリスク傾向を把握し、翌シーズンの対策計画に反映することも可能である。今後は、専任の安全衛生担当者を置くことが難しい中小事業者への普及により、義務化への対応と熱中症の事前予防の両立が広がることが期待される。



脚注
(注1)厚生労働省「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」
(注2)労働安全衛生規則第612条の2(2025年6月1日施行)。報告体制の未整備・手順未作成・周知不足には罰則(6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)が定められている。
(注3)WBGT(湿球黒球温度):気温・湿度・輻射熱を取り入れた暑さの指数。
(注4)暑熱順化:身体が暑さに慣れ、発汗などの体温調節機能が働きやすくなること。
(注5)体調管理(朝の体調入力×暑熱順化×複合リスクスコア)による熱中症リスク判定手法について特許出願中(2026年6月時点)。特許権の成立後は、同様の手法の実施には当社の許諾が必要となる。