台風接近時及び強風時の安全運行の確保

沖縄都市モノレール株式会社

業種:運輸業、郵便業

掲載日 2025年9月18日
適応分野 自然災害・沿岸域 / 産業・経済活動 / 国民生活・都市生活

会社概要

沖縄都市モノレール株式会社は、軌道法による一般運輸事業を主たる業務としている企業である。

気候変動による影響

地球温暖化が進行した世界では、台風がより発達した状態で上陸する可能性がある。また、中心気圧が実際の台風に比べて低下するとともに、降水量が増加し河川での氾濫のリスクが高まることや、風が強まることで風害や沿岸や河川の河口付近での高潮による浸水のリスクが高まる可能性がある。

適応に関する取り組み

当社では、お客さまの安全・安心を何より大切にし災害に強く事故のない「ゆいレール」を目指して、輸送の安全確保に取り組んでいる。台風等の自然災害発生時においても、安全運行の確保や早期の運転再開ができるよう、安全運行を推進するとともに、運行管理や異常時を想定した訓練・教育も推進している。

以下に、主な取り組みについて紹介する。

●台風接近時及び強風時の安全運行の確保を推進

風向風速計を設置し、指令室にて常時監視をしている。また、台風接近時及び強風の際には、最大瞬間風速15m/sを超えた場合は速度を制限して運転し、最大瞬間風速25m/sを超えた場合は運転を見合わせるという運転規制を行い、安全運行確保に努めている。

また、台風通過後は、運転再開に向けて再開予定の約3時間前より、車両の点検、駅舎設備の点検、試運転列車による全線の点検をおこない、安全を確保したのちに運転を再開する。

●運行管理に係る教育訓練

列車の運行管理を行う指令員は、輸送障害などが発生した際に早期に通常の運行ダイヤに復旧できるよう、運転整理について運行訓練シミュレーターを使用した訓練と、継電連動盤を使用した教育訓練を実施している(図1)。また、駅においても定期的に継電連動盤の取り扱い訓練を実施している。

●異常時を想定した訓練・教育の実施

運転事故・自然災害・テロや犯罪など、様々な異常時を想定した対処訓練を毎年実施している。また、外部専門機関の研修会等に参加することで専門知識の向上及び技能の深度化を図っている。

●回生電力貯蔵装置(TESS)の設置(図2)

大規模停電等が発生した場合、駅間で停⽌した列⾞が最寄り駅まで運⾏できるよう、蓄電設備を3か所の変電所に設置している。

効果/期待される効果等

TESSは、モノレール⾞両がブレーキを使用した際に発生する回生電⼒を貯蔵し、エネルギーを有効に活用することを可能とする。これにより、停電時でも全線への電源供給が可能となり、列⾞が駅間で停⽌したままとなる状態を回避することができる。 これらのリスク管理の充実・強化を目的とした取り組みによって事故を未然に防止し、安全運行を確保することへと繋がる。

運行訓練シミュレーター(左)と継電連動盤(右)
図1 運行訓練シミュレーター(左)と継電連動盤(右)
(画像提供:沖縄都市モノレール株式会社)
回生電力貯蔵装置(TESS)
図2 回生電力貯蔵装置(TESS)
(画像提供:沖縄都市モノレール株式会社)
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