第5回気候変動適応プラットフォーム会合、NIESで開催
開催日 | 2024年10月24日(木)-25日(金) |
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会場 | 国立環境研究所(NIES)、つくば市、日本 |
主催 | 国立環境研究所 気候変動適応センター(CCCA) |
第5回気候変動適応プラットフォーム国際会合が2024年10月24日-25日に開催されました。
初日の戦略的議論に続き、2日目はAP-PLATの増冨祐司博士による開会挨拶から始まり、主要な国際機関による最新の活動報告が行われました。

発表内容
本会合では、CSIRO、APN、UNESCAP、AIT RRC.APの各機関の代表者が、地域全体で展開される多様なアプローチを示す最新の取り組みと成果を発表しました。
1.CSIROによる太平洋諸国への科学的支援
CSIROアジア太平洋チームリーダーのリーン・ウェブ博士は、太平洋島嶼国の気候変動課題への取り組みを支援してきた15年間の実績を紹介しました。気候データ分析から国家適応計画まで、包括的な支援を提供してきたCSIROの活動が報告されました。特に、バヌアツでのVan-KIRAPプロジェクトと、ツバル、ナウルなどの太平洋諸国における気候リスク評価・適応計画支援のCIVRAプロジェクトが注目される取り組みとして紹介されました。
2.APNの研究支援ネットワーク
アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)のリンダ・アン・スティーブンソン博士は、25年以上にわたる政策関連研究の知見を共有しました。2024年の優先課題として、ヒンドゥークシュ・ヒマラヤ地域における知識ギャップへの対応など、地域特有の気候適応研究に焦点を当てることを説明しました。また、APN-ECAPネットワークを通じた次世代研究者の育成にも力を入れていることが強調されました。
3.UNESCAPの防災イニシアティブ
UNESCAPのサンジェイ・シュリバスタバ博士は、1970年以来200万人以上が災害で命を失っているという地域の深刻な統計を示しました。発表では、早期警報システム(EW4All)とインフラ保護イニシアティブを通じたUNESCAPの対応に焦点が当てられ、特に後発開発途上国と小島嶼開発途上国への支援が強調されました。
4.AITの革新的な適応計画ツール
アジア工科大学のラメシュ・ソイサ博士は、地域主導の適応計画のための最新ツールを紹介しました。気候データ分析と洪水シミュレーションを可能にする2つの革新的なツール「S8DS」と「FloodS」のデモンストレーションが行われ、また新たなeラーニングコースを通じた能力開発への取り組みも紹介されました。

今後の展望
会合では、アジア太平洋地域における気候変動適応への多様なアプローチが示され、機関間協力の重要性が強調されました。
また、各発表を通じて、今後注力すべき以下の重要課題が共有されました。
- 科学的研究の実践的ソリューションへの転換
- 能力開発プログラムの拡充
- 地域協力ネットワークの強化
出典・関連情報