台湾でPodcast収録、国立科学工芸博物館視察、新竹縣政府環境保護局や桃園区農業試験場との意見交換を実施

開催日 2025年2月11日、12日
開催場所 台湾

2025年2月11日 Podcast収録

台湾の気候変動予測情報・適応知識プラットフォーム(TCCIP)運営メンバーが制作するPodcastでは、気候変動や適応に関する様々な科学的知識を、リラックスした雰囲気で語り合いながら共有するプログラムです。普段は中国語で配信されていますが、今回は特別にCCCAメンバーも参画し、全編英語での収録を行いました。

日本の気候変動科学と市民との対話の道筋(全編英語インタビュー )

TCCIPプロジェクトでは、マルチメディア作品や展示、交流会などを通じて、気候変動と適応に関する知識を広めてきました。
こうした取り組みを行っているのは私達だけではありません!

お隣の日本でも、気候変動科学の研究と普及啓発が進められていて、特に「気候変動適応法」の成立以降は、市民との対話に精力的に取り組んでいます。

今回「Everyday」チームは、全編英語によるインタビューで、日本の気候変動適応に取り組む科学者の経験をお届けします。あなたの英語リスニング・スキルに挑戦しながら、日本における適応の発展と今後の方向性を発見してください!

収録した内容は以下URLよりお聴きいただけます。
https://tccip.ncdr.nat.gov.tw/podcast_one.aspx?pid=20250319103253

2025年2月11日 国立科学工芸博物館視察

台湾南部に移動し、高雄市内にある国立科学工芸博物館を訪問しました。館内には気候変動に関する常設展があります。デジタルツールや体験型のコンテンツが充実し、子どもから大人まで幅広い世代が楽しく気候変動を学ぶための空間になっています。気候変動影響や適応をわかりやすく伝えるため、最新の知見を親しみやすい言葉、デザインに置き換えて掲示内容を工夫しているようです。実際に台湾の各都市で取り組まれる適応策事例や、乳牛・畜舎における暑熱対策の掲示物や、新たに子ども向けに制作している展示物についても共有いただきました。

2025年2月12日 新竹縣政府環境保護局との意見交換

台湾北部に位置する新竹縣政府環境保護局を訪れ、NCDRとCCCAメンバーとの意見交換を行いました。新竹市(Shinju County)は、急速な開発とともに斜面災害などの自然リスクが顕在化しており、2015年以降中央政府からの支援や指導のもと、気候変動への適応策に取り組んでいます。地方自治体としては、気候変動への適応は新たな課題であり、中央政府、民間、地域住民との連携が不可欠です。今後も科学的データとリスクコミュニケーションを融合させた施策の実施や、教育・能力開発の強化、さらに官民連携を通じた実践的な適応策の推進が求められています。

2025年2月12日 桃園区農業試験場との意見交換

台湾西北部に位置する桃園区農業試験場を訪れ、米や大豆、サツマイモなど主要作物の品種改良や栽培技術に関する適応の取り組みを共有いただきました。特に米に関しては、収穫までの期間が短いため水使用量が少なく済む品種(桃園5号)、有機栽培に適しており肥料を削減できる品種(桃園6号)、「いもち病」に耐性を持つ品種(桃園7号)といった具体的な事例が紹介されました。

プレゼンテーション後は、施設内の温室圃場を見学させていただき、冷却システムの運用方法や、持続可能な灌漑技術についても具体的な事例をもとに説明が行われました。質疑応答では、生産者のキャパシティ(能力)開発について、既存の生産者の知見を尊重しながら、実証実験を通じた技術共有やセミナーを実施している点が強調されました。

出典・関連情報
(2025年4月14日掲載)