| 開催日 | 2026年7月8日(水)~7月10日(金) |
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| 開催地 | 東京ビッグサイト |
国立環境研究所 気候変動適応センター(CCCA)は、2026年7月8日(水)から10日(金)までの3日間、東京ビッグサイトで開催された「自治体総合フェア2026」(主催:一般社団法人日本能率協会)に初めて単独出展いたしました。
本フェアは「発見、気づき、共創が生む地方創生へ」をテーマに、全国の自治体職員や民間企業が会する官民連携の場です。当センターは「住民の安全安心エリア」において、気候変動適応や熱中症対策に関するブースを構え、多くの来場者との対話やアンケート調査を実施しました。
1. CCCAブースの展示内容と当日の様子
当センターのブースでは、「民間事業者向けの気候変動適応支援」の活動紹介や、当センターの研究者 岡和孝による「暑熱・健康に関する研究」、さらに2026年6月5日に設立した「熱中症対策産官学連携コンソーシアム」の概要を紹介するポスターの展示を行いました。
3日間の会期中、会場全体で約9,500名が来場する中、CCCAブースにも約300名の民間企業や自治体関係者の方にご来場いただきました。


2. 来場者アンケート結果
CCCAブースにおいて、来場者を対象に「水災害・熱中症対策に関するアンケート」を実施し、3日間で計145件の回答を回収しました。

来場者の組織区分は、民間企業が94名(64.8%)、自治体等の公的機関が25名(17.2%)、その他が26名(17.9%)となり、公民問わず多角的な視点からのデータが得られました。
① すでに現場で定着・普及しつつある「適応策」の実践
アンケートでは、「すでに実施している具体的な対策」について複数選択で回答を得ました。この結果から、適応策が普及している実態が浮かび上がりました。
■水災害対策
「ハザードマップの確認や、定期的な避難訓練の実施(69回答)」や「災害時の非常用電源・備蓄品の確保(60回答)」が高い数値を示しました。
これは、近年の大型台風やゲリラ豪雨の増加に対し、単なる危機感にとどまらず、「事前の適応策」が基本的な仕組みとして普及・実践されていることがうかがえます。

■暑熱対策
「水分・電解質補給の徹底や、こまめな休憩(63回答)」をはじめ、「暑さ指数(WBGT)計の設置と予測値に基づく注意喚起・作業制限(50回答)」、さらに「ファン付き作業服などの冷却グッズ・ウェアの支給(43回答)」などが上位を占めました。
これは、人々の安全と健康を守るため、WBGT等の定量的データを活用した予防・運用的な適応策が標準化し、習慣として社会に定着しつつあるというポジティブな普及傾向と考えられます。

② 研究機関への期待
今後の対策を進めるにあたり、「官公庁や研究機関、民間企業に期待する支援や情報」を尋ねた設問では、「科学的根拠(エビデンス)に基づいた確かな知見の提供(54回答)」をはじめ、「対策製品・技術(インフラやグッズ等)の具体的な導入提案(47回答)」、さらに「最新の成功事例(ベストプラクティス)の情報共有(42回答)」を期待する回答を得ました。
とくに「科学的根拠に基づく確かな知見」への期待が最も多かったことから、持続可能で説得力のある意思決定を支えるエビデンスの重要性が求められていることがうかがえます。

3. 内閣府SIP「気候変動適応e-learning」の出展
今回のフェアでは、CCCAブースの出展に加えて、会場内に別途内閣府SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)第3期「スマート防災ネットワークの構築」の専用ブースが構えられました。
このSIPブースにおいて、当センターが開発・担当している「企業向け気候変動適応e-learning(サブ課題B「リスク情報による防災行動の促進」)のデモンストレーション展示を実施いたしました。
会期中の3日間で、約100名の来訪者に直接説明・デモンストレーションを行いました。民間企業の経営戦略や営業企画の担当者から「自社内における社員研修の教材」や「サプライチェーン(取引先)に向けた勉強会ツール」として展開・活用したいといった、実践的な導入に向けたニーズや関心が寄せられました。


4. 出展を終えて
今回の初めての単独出展を通じて、現場で進む適応策の実践状況や、民間企業・自治体が求める支援ニーズを直接把握することができました。とりわけ、科学的根拠に基づく知見や、具体的な対策導入のための情報提供への期待が大きいことを確認できた点は、当センターの今後の活動にとって重要な示唆となりました。
得られたご意見やニーズを踏まえ、A-PLATを通じた適応事例の発信や研究成果の社会実装をさらに進めるとともに、自治体・企業との連携を強化し、気候変動適応の実践を支える情報提供に取り組んでまいります。