成果報告 0-1

地域適応コンソーシアム事業で共通的に使用する気候シナリオの整備

対象地域 全国
調査種別
分野 気候シナリオ
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概要

「平成31年度地域適応コンソーシアム全国運営・調査事業委託業務報告書」より抜粋

背景・目的

これまでも気候変動に関する多くの研究プロジェクトによって、我が国の気候の将来予測が実施され、地域の気候変動適応策に有用な気候シナリオ等の情報が蓄積されてきた。一方で、各研究プロジェクトではそれぞれの研究目的に合わせて排出シナリオや気候モデル、気候パラメータ、評価範囲等を設定して気候シナリオが開発されてきたことから、これを活用した影響評価の成果の相互利用や比較が困難なものとなっている。地域適応コンソーシアム事業では、影響評価結果をわかりやすく整理をしていく観点から、共通の気候シナリオを用いて影響評価を行うことを目指している。このことから、本事業ではこれまでに開発された入手可能な気候シナリオの情報を収集・整理した上で、地域適応コンソーシアム事業で統一的に使用する気候シナリオデータを収集・整備し、地域事業等に提供する。主な作業は以下の通りである。

  • 平成29年度及び30年度の全国事業において収集した開発済みの気候シナリオの情報(観測データ、測地系、ダウンスケールやバイアス補正の手法等の影響評価に用いるために必要となる情報等)について、随時最新情報を収集し、更新を行う。
  • 本業務及び地域事業で実施する影響評価の進捗状況に応じて、必要な気候パラメータの最新情報を収集し更新を行う。
  • 地域適応コンソーシアム事業における気候シナリオの共通方針に基づき、全国及び地域事業で影響評価を実施するために必要な気候シナリオの整備及び配布を行う。さらに、環境省が指示する新たな気候シナリオについて、全国レベルでの検証、整備及び配布を行う。

実施体制

本調査における実施体制を以下に示す(図 1.1-1)。

実施体制
図 1.1-1 実施体制

実施スケジュール(実績)

気候データの提供元等との利用に関する調整等を経てシナリオを入手し、必要に応じてバイアス補正を実施、各地域事業者に配布を行った(表 1.1-1)。また、共通シナリオとは別途、氷床等の融解による海面上昇量について専門家と検討を行い、IPCC海洋・雪氷圏特別報告書のデータの利用について地域事業に指示を行った。

表 1.1-1 収集配布した気候シナリオ
配布時期 気候シナリオ名
2018/5 力学的ダウンスケーリングデータ:
  • 温暖化予測情報第9巻
  • 気象研究所2km力学的DSデータ
2018/7 力学的ダウンスケーリングデータ:
  • SI-CAT大気近未来予測力学的ダウンスケーリングデータ
2018/8 統計的ダウンスケーリングデータ:
  • 農環研データセット by SI-CAT1)
2018/9~10 バイアス補正データ(降水、気温、日射、風速、相対湿度):
  • 温暖化予測情報第9巻
  • 気象研究所2km力学的DSデータ
  • SI-CAT大気近未来予測力学的ダウンスケーリングデータ
2018/11 海洋近未来予測力学的ダウンスケーリングデータ
2019/4 追加の気候シナリオ:
  • SI-CAT大気近未来予測力学的ダウンスケーリングデータ 追加アンサンブル
  • 海洋近未来予測力学的ダウンスケーリングデータ RCP2.6(2086-2100)
2019/5 リバイス版:
  • 農環研データセット by SI-CAT
2019/8 追加の気候シナリオ
  • NIES統計DSデータ
2019/9 リバイス版:
  • 農環研データセット by SI-CAT

1) 正式名称は「農研機構シナリオ2017」。本事業においては「農環研データセット by SI-CAT」と表記する。

気候シナリオ基本情報

表 1.1-2で示す共通方針の前提条件のもと、表 1.1-3で示す気候シナリオの共通方針を策定した。

表 1.1-2 気候シナリオの共通方針の前提条件
項目 内容 選定の理由
気候モデル ① MRI-CGCM3(MRI-AGCM3.2) 日本において構築されたモデルであり、日本周辺領域を精緻に再現できる。
② MIROC5
排出シナリオ ① RCP2.6 パリ協定の2℃目標達成を想定(RCP2.6)。
② RCP8.5 RCPシナリオにおいて想定しうる最大の影響(RCP8.5)。 RCPシナリオにおいて想定しうる最大の影響(RCP8.5)。
予測期間 ① 現在 地方自治体の計画期間等を想定した場合、近未来の予測が必須。
② 21世紀中ごろ(2030~2050年頃)
③ 21世紀末(2100年頃)
空間解像度 1km(3次メッシュ)が望ましい 地方自治体内の影響を評価するためには1km程度が望ましい。
時間解像度 日別データが整備されていることが望ましい 多くの影響評価で月~日別データを必要としている。
測地系 世界測地系であることが望ましい 世界測地系が標準となってきている。
表 1.1-3 気候シナリオの共通方針2)
気候シナリオ名 空間
解像度
時間
解像度
気候モデル
(海面の境界条件)
全国バイアス補正 アンサンブル数 21世紀中ごろ 21世紀末 将来気候パターン数
(気候モデル×アンサンブル数×将来期間数×RCP数)
RCP
2.6
RCP
8.5
RCP
2.6
RCP
8.5
農環研データセット
by SI-CAT
1km 日・月 MRI-CGCM3 1 8(2×1×2×2)
MIROC5 1
NIES統計DSデータ 1km 日・月 MRI-CGCM3 1 8(2×1×2×2)
MIROC5 1
日本全国1kmメッシュデータ統計的DS by SI-CAT 1km 日・月 MRI-CGCM3 1 × × 4(2×1×1×2)
MIROC5 1 × ×
温暖化予測情報第9巻 by 創生プログラム 5km 時間 MRI-NHRCM02(CMIP5の28モデルのSST) 有り 1 - - × <バイアス補正有り>
1(1×1×1×1)
<バイアス補正無し>
1(1×1×1×1)
無し 1 - - ×
気象研究所2km力学的DSデータ by 創生プログラム 2km 時間 MRI-NHRCM02(CMIP5の28モデルのSST) 有り 1 - - × <バイアス補正有り>
1(1×1×1×1)
<バイアス補正無し>
1(1×1×1×1)
無し 1 - - ×
大気近未来予測力学的ダウンスケーリングデータ(東北から九州) by SI-CAT 5km 時間 MRI-CGCM3 有り 1(m01のみ) - (要望に応じて作成) - <バイアス補正有り>
2(2×1×1×1)
<バイアス補正無し>
8(2×2×2×1)
無し 2(m01, m05) - -
MIROC5 有り 1(m01のみ) - (要望に応じて作成) -
無し 2(m01, m05) - -
海洋近未来予測力学的ダウンスケーリングデータ by SI-CAT(Ver.1) 2km MRI-CGCM3 1 - 3(1×1×1+1×1×2)
MIROC5 1 - - - -
2) ○:提供可能 △:要望に応じて作成(※1) -:該当無し ×:本事業では利用しない
(要望に応じて作成)は、地域事業者の要望があれば全国事業者が作成し配布可能。

気候変動影響予測結果の概要

該当なし。

活用上の留意点

該当なし。

適応オプション

該当なし。

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