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気候予測について

将来の気候予測は、私たちがこれから温室効果ガスの排出をどれくらい削減できるかという仮定(排出シナリオ)によって大きく変わります。ここでは、IPCC第5次評価報告書で用いられたRCPシナリオ*を用いています。

排出シナリオに基づいて、将来の気候をシミュレーションするモデルを気候モデルと呼びます。環境省環境研究総合推進費S-8温暖化影響評価・適応政策に関する総合的研究(2010~2014)では、CMIP5と呼ばれるプロジェクトで開発されたIPCC第5次評価報告書に利用された気候モデルから、それぞれに異なる特徴を持つMIROC5、MRI-CGCM3.0、GFDL CM3、HadGEM2-ESの4つの気候モデルを選択し、その気候予測の結果をまとめています(S8データ)。

本サイトでは、1981~2000年を「基準期間」として、「21世紀半ば」(2031年~2050年)と「21世紀末」(2081年~2100年)の気候予測の結果を提供しています。

気候予測に関する詳細については、例えば、環境省・気象庁による「21世紀末における日本の気候」にまとめられています。(ただし、本サイトの予測とは異なるものであることにご留意下さい。)

RCPシナリオとは

RCPシナリオは、将来の温室効果ガスが安定化する濃度レベルと、そこに至るまでの経路のうち代表的なものを選び作成されたものです。RCPとはRepresentative Concentration Pathways(代表的濃度経路)の略称です。RCPに続く数値が大きいほど2100年における放射強制力*が大きいことを意味しています。*放射強制力:地球温暖化を引き起こす効果のこと

2081年から2100年における地球全体の平均気温上昇量(1986~2005年比)の関係は次の通りです。

図1 RCPシナリオの概要

出典: 気象庁(2013)「IPCC 第5次評価報告書 第1作業部会報告書 政策決定者向け要約 」p.21 表SPM.2を参考に作成

表1 本サイトで使用している気候モデルの概要
気候モデル 開発機関 特徴
MIROC5 東京大学/国立研究開発法人国立環境研究所/国立研究開発法人海洋研究開発機構 日本の研究機関が開発した気候モデルであり、当該モデルを利用して日本を含むアジアの気候やモンスーン、梅雨前線等の再現性や将来変化の研究が実施されている。
MRI-CGCM3.0 気象庁気象研究所
GFDL CM3 米国NOAA 地球物理流体力学研究所 日本周辺の年平均気温と降水量の変化の傾向を確認し、そのばらつきの幅を捉えられるように選ばれた気候モデル。
HadGEM2-ES 英国気象庁ハドレーセンター