全国各地で見頃を迎えているサクラ。気象庁による東京でのソメイヨシノの開花宣言は、3月29日。気候変動の影響で桜の開花時期が早まっているのではと言われる中、平年より5日遅く、昨年より15日遅い開花となりました。実は、気候変動が進行すると、九州などのすでに温暖な地域では開花時期が遅くなるという研究結果もあります。その背景には、サクラの開花と気温の密接な関係があります。サクラの花となる花芽は夏につくられ、その後、寒い冬を越すために休眠します。そして、真冬に厳しい寒さに一定期間さらされることで、その刺激によって「休眠打破」が起こり、開花に向けて成長が再開します。しかし今後、気候変動が進行すると、暖地では休眠打破が充分に行われずに、かえって成長が遅れるのではと言われています。桜前線という言葉もなくなる日が訪れるかもしれません。また、そもそも開花しない地域や、開花してもだらだらと咲き満開にならない地域も出てくると予測されています。
このように、植物や生物の季節性は気候変動の影響を強く反映しています。生物季節を観測する『生物季節モニタリング』にご興味のある方は、以下のリンクボタンよりご覧ください。
|