事業者の経営課題としての気候リスク
気候変動の影響はすでに事業者の活動に大きな影響を及ぼしています。自然災害等による施設の損壊や従業員の被災/通勤の阻害など急に発生するものから、気候パターンの変化による水資源や農作物、水産物、自然生態系の利用可能性の低下などの長い時間をかけ少しずつ影響が現れてくるものも含まれ、その範囲は自社にととまらず、サプライチェーン全体に及ぶ可能性があります。
こうした気候変動の影響が今後も拡大していく懸念をふまえ、事業者においても、将来にわたって事業活動における気候変動の影響を把握し、その影響を回避・軽減する、適応の重要性が高まっています。

(出典:環境省 「民間企業の気候変動適応ガイド-気候リスクに備え、勝ち残るために-改訂版(令和4年3月)」)
事業者に求められる気候変動への適応
事業者の行う適応には、自らの事業活動への影響を軽減させる「気候リスクの管理」と、一般消費者や他の企業の適応を促進する製品・サービスを展開する「適応ビジネス」が存在します。
気候リスクの管理
気候変動は地域や業種に関わらず、どんな事業者にも関係するものであり、すべての事業者に気候リスクの管理が求められます。気候変動による影響およびリスクを評価し、それらに対する対策を行い、またリスクを長期的に管理することが必要です。
一方、気候変動に備え、将来を見通した戦略的な気候変動適応に積極的に取り組む企業には、様々なプラスの効果がもたらされます。
例えば、適応策として、気象災害を見据えた事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management)の構築や事業継続計画(BCP)の策定が挙げられます。こうした取組によって気候リスクを管理することで、気象災害による損失を抑制できるだけでなく、復旧までの時間を短縮することで、顧客からの信頼を高める機会とすることができます。

(出典:環境省 「民間企業の気候変動適応ガイド-気候リスクに備え、勝ち残るために-改訂版(令和4年3月)」)
気候変動をチャンスに変える適応ビジネス
気候変動の影響はリスクだけでなく、事業者にとってのチャンスも生み出します。気候変動の影響によって、市民生活や産業に変化が生じることで、その課題を解決する、適応に役立つ製品やサービスを提供する新たな適応ビジネス市場が拡大していく可能性があるからです。
適応ビジネスには、例えば、気象災害による被害を回避・軽減するための監視システムや風水害対策資材、熱中症予防のための機能素材や熱中症対策飲料など、さまざまな製品・サービスが存在します。すでに適応ビジネスに取り組んでいる事業者は、既存の製品やサービスを上手く適応ビジネスに活用しているケースが多く見られます。
気候変動と自社の事業との関わりをリスク面から分析・評価するだけでなく、自社の既存の製品やサービス、あるいは自社の強みを適応ビジネスとして活用していくという視点を持つことにより、事業者にとっては新たなビジネスチャンスの可能性が広がります。

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インフォグラフィック(事業者編)
事業者の主な適応策を業種別、業種間で共通する項目別に整理しました。「影響の要因⇒現在の状況と将来予測⇒適応策」の流れで構成し、表面にはイラストを用いたわかりやすい解説を、裏面にはその詳細を記載しています。事業活動における適応の取組推進にご活用ください。