中国四国は山地を境として地域が区分され、日本海からの季節風の影響で雪が多く降ることもある山陰に対して、雨が少なく乾燥した瀬戸内、夏に太平洋から季節風の影響を受けて雨が多い南四国というようにそれぞれ異なる特徴を有しており、気候変動による影響も異なります。
山地を境に異なる気候の中で保たれてきた中国山地や四国山地の植生が、気候変動によりどのような影響を受けるかを予測することは、希少な植生を保全する上で、とても重要なことです。この地域はナシの主要産地でもあります。ナシの開花には冬の十分な低温期間が必要なため、気候変動による暖冬の影響は深刻です。汽水湖である宍道湖・中海は水深が浅いために気温上昇や雨の降り方、海面水位の変化等の影響を直接的に受けています。瀬戸内海の水温上昇は、主要水産物であるカタクチイワシの回遊やカキ、ノリ、ワカメの養殖生産にも影響することが懸念されています。
夏場の高温は家畜の生産性も低下させるため、牛や鶏の体温調節を助け、夏バテをしないように温湿度の管理をしたり、今後被害が増大することが想定される洪水や内水などの災害を生態系を保全することによって軽減するなど、気候変動の影響に応じた適応策の検討も今後進めていかなければなりません。
(最終更新日:2020/6/22)
対象となる都道府県/政令指定都市 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、岡山市、広島市 |
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※調査結果を活用される際には、各調査の「成果活用のチェックリスト」を必ず事前にご確認ください。
(対象地域の( )内の記載は、地域適応策策定にあたり成果を活用できる可能性がある地域。)
年度 | 項目 | 報告 | |
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平成29年度 | ワークショップの実施 | 年2回(島根県松江市、徳島県徳島市)で開催 | 成果報告 |
フォローアップ等 | ヒアリングなど(広島県・香川県) ツール素案作成 |
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研究成果や課題共有の意見交換会 | テーマ:水産業における気候変動の影響、各県市の水産業における課題 | ||
平成30年度 | ワークショップの実施 | 年1回以上(鳥取県、岡山県、愛媛県)で開催 | 成果報告 |
フォローアップ等 | ヒアリングなど(島根県・徳島県) ツール素案の見直し |
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研究成果や課題共有の意見交換会 | テーマ:水産業における気候変動の影響、各県市の水産業における課題など | ||
平成31年度 | ワークショップの実施 | 年2回(山口県、高知県)開催 | 成果報告 |
フォローアップ等 | ツール完成 次年度以降の進め方提案 |
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研究成果や課題共有の意見交換会 | 前年度の開催結果を踏まえて計画 |
年2回程度開催予定
メンバー:地域内の都道府県/政令指定都市、環境省、各省庁地方支分部局、研究機関、地域地球温暖化防止活動推進センター 等
有識者:
所属 | 氏名(敬称略) |
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鳥取大学理事(教育・国際交流担当)・副学長 | 田村 文男 |
鳥取大学 農学部生命環境農学科 教授 | 永松 大 |
高知工科大学 経済マネジメント学部 教授 | 那須 清吾 |
水研機構 水産大学校生物生産学科 教授 | 野田 幹雄 |
島根大学 エスチュアリー研究センター 教授 | 矢島 啓 |
広島大学 名誉教授 | 山本 禎紀 |