令和3年度国立環境研究所・夏の大公開における気候変動適応センター企画の開催概要報告

日時 令和3年7月17日(土)13:00~17:15
開催企画 ① 気候変動適応クイズ
② 「気候変動適応のミステリー」オンライン体験ワークショップ
場所 ① オンライン開催(Webクイズ)
② オンライン開催(Zoomミーティング使用)
主催 国立環境研究所 気候変動適応センター

国立研究開発法人国立環境研究所(以下、「国環研」)は、7月17日(土)に研究所の一般公開 「夏の大公開 -オンラインでまるわかり!環境のコト-」を開催いたしました。

国環研では、1976年より夏につくば本構を開放し参加者を受け入れる形で、一般公開を開催してまいりましたが、2020年度はコロナ禍の影響もあり中止せざるを得ず、2021年度は新たな試みとして全面オンラインで開催することになりました。

気候変動適応センターでは、オンラインプログラムとしてお楽しみいただける「気候変動適応クイズ」と「『気候変動適応のミステリー』オンライン体験ワークショップ」の2つの企画を出展し、多彩な地域の皆様からご参加いただくことができました。当日の開催概要を以下にご報告いたします。

気候変動適応クイズ

小学校高学年向け、中学生向け、高校生向けのレベル別に、「気候変動」や「適応」について理解を深めることができるオンラインクイズを出展しました。○×で解答がすぐに表示される形なので、誰でも簡単に挑戦できます。最後までクイズを体験いただいた方には、素敵な修了証をダウンロードできるようにしました。

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気候変動適応クイズのTopページ

気候変動適応クイズの中学生向けページの一コマ

夏の大公開当日の13:00-17:00の4時間で、下記の通り、約90名の方々にご参加いただけました。

  • 気候変動適応クイズTopページの閲覧数:91回
  • 小学生高学年向けクイズページの閲覧数:46回
  • 中学生向けクイズページの閲覧数:14回
  • 高校生向けクイズページの閲覧数:30回

※各クイズの合計とTopページの閲覧数が合わないのは、Topページにはアクセスしたが、クイズは解かないでそのままページを離れてしまわれた等の理由が考えられます。

クイズの内容は、油断すると適応センターのスタッフも間違えてしまうほどの濃い内容も含まれており、全問正解者はかなり気候変動や適応について熟知している方といえるでしょう。

こちらのクイズコンテンツは今後、A-PLATでも自由に体験いただけるように公開予定です。学校教育や地域の環境学習講座・セミナー等において、気候変動や適応について学ぶ際の導入コンテンツ等としてご活用いただけましたら幸いです。

「気候変動適応のミステリー」オンライン体験ワークショップ

ミステリーとは、元々イギリスの地理学教育分野で開発された学習手法で、ミステリアスな問いかけをもとに、あるテーマに関連しそうな二十数枚程度のカードを、それぞれの関係性についてグループで話し合いながら論理的に並べていき、最後にグループワークの成果を全体に向けて発表・質疑等を行うプログラムです。体験者の主体的な学びやシステム思考等の能力を育むのに効果があると評価されています。

気候変動適応センターでは、昨年度に未来のためのESDデザイン研究所の高橋敬子氏と共に、気候変動の影響や適応について学ぶ「気候変動適応のミステリー」を共同で開発し、A-PLATにて提供しています。今回は、その「気候変動適応のミステリー」を人数限定でオンラインにて体験できるようアレンジしたワークショップを開催いたしました。

本プログラムは高校生以上を対象とし、事前申込制にて参加者募集を行い、当日は第1回13:00~14:30、第2回15:30~17:00予定の計2回にて、Zoomミーティングと共に、複数人数での共同編集が可能なGoogle スプレッドシートを活用し、以下のような流れでワークショップを開催いたしました。

  1. ① 開会挨拶、ワークショップの趣旨・注意事項等説明
  2. ② グループメンバーの自己紹介・Google スプレッドシート操作練習
  3. ③ 気候変動適応のミステリー体験
    • ミステリーのお題発表
    • グループメンバーでミステリーの謎解き
    • グループの謎解き成果発表準備
  4. ④ グループごとの謎解き成果発表
  5. ⑤ 本日のまとめ
  6. ⑥ アンケート記入案内、閉会挨拶

広報期間が短かったため、参加者数は少なめのこぢんまりとしたワークショップとなりましたが、北は北海道から南は愛知県まで、全国各地の気候変動に関心ある高校生、大学生や、地域の温暖化防止活動推進センター、温暖化防止活動推進員の方々まで、例年通りの夏の大公開では実現しえなかった多彩な方々にご参加いただき、スタッフも含めて対話を通して気候変動や適応に関する理解や学びを深めることができました。参加者数は以下の通りでした。

  • 第1回ワークショップ: 13:00-14:45頃(実績) 参加者数:14名
  • 第2回ワークショップ: 15:30-17:15頃(実績) 参加者数:12名

グループワークの謎解き成果発表の一コマ

参加者アンケートは第1回・第2回の参加者合計26名のうち、事情により途中退出された1名を除いた25名の方全員に回答いただけました。

本ワークショップの満足度について、5段階にて評価いただいた結果、「5:とても満足」「4:やや満足」の回答合計で100%を占め、回答者の皆さんからとても高い評価をいただくことができました。

グラフ:ワークショップの満足度

ワークショップに参加して良かった点、感想、改善提案等に関しては、以下のようなコメントやご要望・ご提案等をいただきました。

  • オンライン開催で遠方からも参加することができたことへの評価や利点等
  • グループ内に多彩な地域からの参加者や多様な年代の参加者がいたことで、議論や対話が盛り上がり、話題の幅が拡がり学びも深まったことへの評価や利点等
  • グループにおけるスタッフのファシリテーションの丁寧さや手際への評価等
  • 参加者が主体的に各事象の関係性を考えていくことで学びが深まる等、プログラムに組み込まれたアクティブラーニング的な要素への評価等
  • 各地域での地球温暖化防止活動等の普及啓発教材や大学での講義教材としての活用可能性と活用の際の注意点等
  • Googleスプレッドシートの操作習熟の必要性や、画面・カード・矢印等素材の数・サイズ等改善点や工夫の提案、他のオンラインワークショップで役立つアプリ等の紹介等
  • グループワークの時間延長への希望等
  • ミステリー的な謎解き要素とワークショップの落としどころの見通しをどこまで参加者に知らせるかのバランスの取り方や、丁寧なまとめ・解説の要望等
  • 地域の地球温暖化防止活動、市民向け・企業向けセミナー、学校教育との連携の希望等
  • 本ワークショップの一般市民へのアピール充実や、出張実施、再度の開催希望等

参加者アンケートにおいては、総じてワークショップの内容について多くの方に好意的な評価をいただいた一方で、プログラムの進め方や内容についての改善案や工夫等、また、本ワークショップの活用機会充実について、様々なご要望やご提案をいただきました。今後のプログラムの改善等に活かしてまいります。ご協力いただき誠にありがとうございました。

今回のワークショップが参加者の皆様にとって、地域や学校における気候変動適応に関する普及啓発促進はじめの一歩となることを願っております。

(2021年8月27日掲載)

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