すごろく気候変動適応への道 付録

カエルくんとアキツノイケ研究所のウサギ博士

渇水だけど水道水で車を洗った。

どこに行ってもいたるところに水道の蛇口があり、ひねれば水が出てくる。しかもその水はきれいで、小さな子どもであっても何の心配もなく飲むことができる。私たちの国ではそれが当たり前の日常ですが、実はそのような国は世界でもごく少数であることを知っていますか?

日本は水に恵まれた国だと言われますが、いつでも蛇口から安全な水を受け取れるのは、上水道・下水道が高度に整備されているおかげなのです。もともとは雨水であり、地下に浸透し、あるいは地表を流れて集まった水を、安全な水道水にするために浄水場でいかに多くのプロセスを経て浄化しているかを知ると、飲用や衛生のため以外の用途に使うことがどんなにもったいないことかが分かります。

昔は防火のために、町のあちこちで軒下に天水桶が設置され、たまった雨水は庭の水やりや掃除などにも利用されていました。近年、防災や効率的な水利用の観点からも、庭やベランダの隅などで雨水を貯めて活かす暮らしが再び見直されてきています。

日本ではこのまま温暖化が進むと、全国平均で雨の降り方が両極端になる傾向にあり、短時間に強い雨が降ることが増える一方で、雨が全く降らない日も増えると予測されています。雨が降らない日が一時的にでも長く続けば、川やダムなどのような水源の水位が下がり、節水を迫られることになるでしょう。

そんな時、せめて私たちの安全で健康的な生活に欠かせない水道水に困ることがないよう、一人一人が普段から雨水を蓄えたり、お風呂の残り湯を活用するなどして、無駄なく上手に水を使えるようになっておきたいですね。

もっと詳しく調べて考えてみたい人へ

(書籍)

(ウェブサイト)