遊べる人数:4~6名
ゲーム所要時間:4名プレーで30~40分程度
はじめに
時は202×年。人類は地中深く眠っていた化石燃料を掘り出し、
エネルギーを取り出すことによって文明を大きく進歩させることに成功していました。
しかしそこには地球温暖化という思いもよらぬ落とし穴が待っていたのです。
このゲームのスタートは現在、そしてゴールは数十年後の未来の街です。
あなたはこれ以上地球温暖化を進めないようにCO2の放出量を抑えながら(緩和)、温暖化した環境の中でよりよく生活できるように工夫していかねばなりません(適応)。
さあ、未来の世界でのよりよい適応を目指して出発しましょう!
ダウンロード
利用規約:A-PLATサイトポリシーをご参照ください。
A4コピー用紙に印刷すればゲームセットが自作できます。(このほか、人数分のゲームのコマ、サイコロ1個をご用意ください。)
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8枚に分割したゲームボードとCO2インジケーター
pdfファイル・ 11ページ
作り方説明付き
ゲームボードの出来上がりサイズは
横590mm×縦800mm程度 -
適応カード・保険証券とポイント紙幣
pdfファイル・6ページ
作り方説明付き
プレー人数に応じて複数枚の印刷が必要です -
ゲームの遊び方説明書
pdfファイル・8ページ
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ゲームボード
pdfファイル・1ページ
こちらは分割されていません。大型印刷機ならA1サイズまで鮮明に印刷できます。
読み物
おはなしのはじめに
国立環境研究所構内の森の中では、動物たちが仲良く暮らしています。森の中には秋津ノ池という小さな池があり、その池のほとりにはウサギ博士が勤務するアキツノイケ環境研究所があります。近所の小学生のカエルくんはウサギ博士と大の仲良しで、きょうもおしゃべりに来ているのでした。
活用事例
小学校から大学までの授業、生涯学習、自治体の普及啓発イベントなどで幅広い年齢層を対象としてお使いいただけます。
・三種町立八竜中学校(秋田県)
秋田県三種町は「三種町地域脱炭素実行計画」を策定し、温暖化対策を進めています。
以下は三種町から普及啓発事業の委託を受けた(株)環境管理センターからのご報告です。
はじめに地球温暖化についての説明をしたあと、6班に分かれてすごろくをプレイしました。多くの班が1.5℃コースに進みましたが、4℃コースに進んだ班もあり、自分たちの行動によって将来の地球が変わることを実感できたと思います。
また、すごろくをプレイしながら、なぜステーキを食べるとCO2がプラスになるのか?といった疑問も出てくるようになり、地球温暖化をより身近なものとして感じてもらえたと思います。
すごろくの後は、グループディスカッションを行い、自分たちや町で出来る地球温暖化対策を考えて、班ごとに発表しました。
すごろくのマス目を参考にしながら、省エネをする、紙の無駄を減らす、植林をするなど、自分たちでできる取組み、学校で出来る取組み、地域でできる取組みなどを考えた意見が挙げられていました。
八竜中学校では授業でSDGsを学んでおり、地球温暖化のほか、海洋ごみに関するワークショップも行いました。
今回のワークショップが、環境問題を自分事として考えるきっかけになってくれればと願うところです。
・君津地方教育研究会理科部会 夏季研修会
このすごろく活用事例でもご紹介しました木更津工業高等専門学校にて、千葉県の君津地方教育研究会理科部会研修が行われました。小中学校の先生方が多数ご参加になり、研修の一つとして、すごろく気候変動適応への道を使った気候変動授業が行われると聞きまして、授業にお邪魔させていただきました。
環境都市工学科の佐久間先生は、以前国立環境研に在籍された経歴もお持ちです。「気候変動」、「緩和」、そして「適応」について基礎から丁寧に説明してくださった後、参加された先生方が実際にすごろくを体験されました。
このゲームを深く理解しておられる高専の学生さんたちのサポートの下、先生方にも十分ゲームを楽しんでいただけた様です。ゲーム後は、楽しい、キャラクターがかわいい!といったご感想や、「釣った魚を食べて食中毒になった。」は気候変動とどういう関係があるのか?といった、すごろくのマスに書かれたイベントに関するご質問などをいただきました。また、授業での活用を想定して、タブレット上ですごろくのマスをクリックするとイベントの解説が表示されると良いなどのご提案もあり、大変参考になりました。
木更津高専ではすごろく気候変動適応への道を活用した気候変動の出前授業にも対応されているとのことです。
このように活用していただけることに深く感謝するとともに、学校の授業での、ゲームツール活用の可能性を示していただいたように思いました。
・ESD for 2030 学び合いプロジェクト(九州)
ゲーム後、それぞれのご意見を書いた付箋がボード一杯に貼られました。
ESD(Education for Sustainable Development)とは、「持続可能な開発のための教育」のことで、SDGsを達成するためにも不可欠な教育であるとされています。
ESDの考え方ともなっている”Think Globally, Act Locally”(地球規模の問題を自分ごとに捉え、身近なところから取り組め)は、このすごろくのコンセプトにも通じるものがあります。ESD、SDGs教育の一環として、少しでも学びのきっかけになることができたら大変うれしく思います!
・福島県大熊町役場
福島県大熊町役場の新規採用職員を中心としたゼロカーボン研修会にて、すごろく気候変動適応への道をご利用いただきました。
- 以下はプレー後、参加者の皆様からいただいたご感想と決意の言葉です。
- 1.5度コースに進むためメンバーで協力してCO2インジケーターを下げるように努めた。人々が協力することなくしてCO2は下げられないということが実感できた。
- 適応も緩和も両方大事であることが実感できた。自分は大熊町における緩和を担う立場だが、引き続き、役場の支援を受けながら仕事を進めたい。
- 緩和も適応も、ひとり一人が心がけて活動する必要がある。自分は子どもがいるので、家族でも協力して、町のゼロカーボン達成に貢献していきたい。
- 自分は業務で緩和を担当しているが、これからは適応も頑張りたい。
・土浦市立下高津小学校(茨城県)
下高津小学校6学年ではすごろく「気候変動適応への道」を取り入れた理科「生物と地球環境」の2時間授業を行いました。
・「すごろく気候変動適応への道」ふり返りシート(A4版)
・木更津工業高等専門学校(千葉県)
環境都市工学科3年生の皆さんがHRの時間を利用してすごろくを体験された様子を、佐久間先生がレポートしてくださいました。
各グループから2名は、親役とCO2インジケーター係をそれぞれ兼務し、ゲームの進行をサポートしました。
また、マス目の中には、疑問を感じることもいくつかあったようです。そこで、ゲーム終了後には教員からA-PLATのホームページを紹介し、疑問に感じたことは各自で調べてみることを勧めました。
このゲームを通じて、学生は普段の授業で学んでいる自然災害の増加や自然環境の変化について、その原因が自分たちの生活様式にも関連していることを知りました。さらに、日頃学んでいる土木分野で気候変動への緩和や適応に対する貢献を考えるきっかけとなったようです。
・正則高等学校(東京都)
正則高校2年生の5,6限生物選択クラスの時間に、港区立エコプラザ主催のすごろくを使った環境学習講座が実施されました。
ゲームの間は、無邪気な歓声が上がっていたのですが、課題発表ではすごろくのイベントの中で気になったワードとしてCO2の排出や削減に関するワードが多く挙げられていました。
皆さん、将来の温暖化の問題を真剣に受け止めているのですね。このすごろくをきっかけに、これからも皆さんの身近なことにつなげて考え続けていただくことができたらと思います。
・川崎市立平間小学校(神奈川県)
5,6年生のSDGs委員会活動の時間(45分授業)で実施しました。
教室内で最初に先生からルールの説明を受けた後、机を移動して4人グループになってスタートしました。
平間小のみなさんは学校ですごろくの人生ゲームに親しんでいることもあってか、親役の人がプレーにも参加していました。とくに戸惑いの声もなく、歓声をあげながら余裕でプレーを続けています。
残念ながら、全員ゴールまであと少しのところで終了時間が来てしまったのですが、温度上昇コースで起こるイベントをあらかじめチェックして有利な適応カードを選んだり、グループによってはみんなで協力してCO2を減らしたりと、工夫しながらゴールまでの道のりを楽しんでもらえました。
・国立環境研究所 夏の大公開2023 (茨城県)
「すごろくのグループはこちらで編成しますのでお一人からでも参加お申込み可能!」4年ぶりに対面で一般のお客様をお迎えした国立環境研究所の夏の大公開2023で、気候変動適応センターの企画の一つとしてすごろくゲーム体験コーナーを企画しました。
今回が夏の大公開デビューのすごろくゲームでしたが、60名を超える事前申し込みをいただき、保護者の方にはお子さんのサポート役をお願いして予約満席の状態で当日を迎えました。
「家に帰ったらもう一度やりたい!」とのうれしいお声もいただきました。(このゲームはご家庭でも簡単に手作り可能です。)
ゲームではいろいろな気候変動イベントが起こり、身近な適応策が出てきます。子どもたちにもこれから折に触れて思い出してもらえたらよいなと願っています。
・獨協大学経済学部 松枝ゼミ
今回は4人ずつのグループに分かれ、4名のうち2名はプレイヤーを行いながら、親役とインジケーター係を担いながらすごろくを行いました。
大学生はマスに止まったらマスに書かれている内容を読みあげ、イベント内容を確認し合いながら行っています。
CO₂をみんなで下げようと積極的に取り組む姿も。
すごろくを終えた大学生からは、気候変動について学びながらすごろくが出来て楽しかったという感想や、もう一度したいという声がたくさん挙がりました。
デジタルゲームに親しんできた世代ですが、対面で楽しむアナログゲームならではの利点も実感したようです。(獨協大学 渡部レポート)
・和洋国府台女子中学校(千葉県)
中学校1学年理科の授業でクラスごとに実施しました。
最初に弊所A-PLAT KIDSのデジタル紙芝居「こんにちは、適応策」(5分33秒)を視聴して基礎情報を入れていただいた後、先生のご指示で6人ずつのグループに分かれてゲームをしました。
6名のうち2名は親役とCO2インジケーター係となってゲームの進行をサポート。
ここでは手持ちの消しゴムなどをコマ代わりに使いました。
CO2インジケーターの針が動く度にみんなハラハラドキドキです。
50分の授業時間の中で全員がゴールし、残った時間ではゲームで起こった気候変動イベントや適応にまつわる事柄について調べ学習の提案をさせていただきました。
・港区立エコプラザ(東京都)
小学校低学年のお子さんにもゴールまで楽しみながら気候変動適応に触れていただくことができました。
(開発協力:獨協大学経済学部松枝ゼミ 山田萌・渡部翔)