気候変動適応策選択ツール <限定公開>
気候変動適応策選択ツール
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気候変動適応策選択ツールをお使いになる皆様へ
気候変動適応策選択ツールは、将来の気候変動による影響を見すえて適応策を優先度付けするためのシミュレーションおよび可視化ツールです。
現時点では農業分野(特に果樹作物) を対象とし、費用対効果の観点から適応策を比較検討することを目的としています。将来的に見込まれる気候シナリオごとの収量変化と経済的な費用・所得を考慮しながら、作物の品目転換や転換時期のシミュレーションを行います。
今後は他の適応策へ対象を広げ、さらに他分野への応用も検討する予定です。
気候変動適応策選択ツールについて
本ツールの主な特徴と設定項目については、以下の通りです。
計算条件の設定
- 地方公共団体:市町村別にシミュレーションを行います。
- 対象期間:2030-2050年、2030-2075年、2030-2100年の3種類から検討したい期間を選択します。
- 作物設定:「現在栽培中の作物」を設定したうえで、作物転換をすると所得が上がる可能性がある場合は、対象作物種類の中からどの品目にいつ転換すべきかを可視化しています。(※現時点で対象作物は果樹10種類)
- 選好パターン:経営状況やユーザーの好みに応じて、対象期間の総所得が高くなる「便益重視」と、年間の赤字限度額を設定できる「低コスト重視」のどちらかを選択します。
- 条件:「赤字限度額」(低コスト重視パターンのみ)・「一回あたりの転換面積の割合」の条件を修正できます。
ユーザー入力
- 経済条件: 果樹作物ごとの「適応費用」(改植費用)・「経営費」・「販売価格」・「未収益期間」を実情に応じて自由に修正できます。初期値は全国平均値を用いています。
結果
- 気候シナリオ: SSP1-2.6、SSP2-4.5、SSP5-8.5の3種類の気候シナリオの結果を確認できます。
- 選好パターン:「便益重視」と「低コスト重視」で別々に結果を出力します。
- 品目転換計画:5種類の気候モデルごとにシミュレーションされ、品目転換を行った方が所得が上がる計算結果となった場合、転換年と転換先品目が表示されます。
(※気候モデル5種類:ACCESS-CM2・IPSL-CM6A-LR・MIROC6・MPI-ESM1-2-HR・MRI-ESM2-0) - 所得の時系列比較:「栽培中の作物を作り続けた場合」と「適応を見すえて作物を転換した場合」の両方の年間所得の推移を可視化します。現時点では所得の割引率を5%としています。
なお、利用にあたっては、<将来予測を利用される際の注意点>をご確認ください。
また、本ツールの結果で得られた結果はあくまでもシミュレーションに基づく推定値であり、地域ごとの実情や将来の気候・経済情勢の変化を完全に反映しているわけではありません。実際の適応方針の決定にあたっては、専門家や関係機関との協議を行う必要がある可能性があります。
謝辞
本ツールの開発は、(独)環境再生保全機構の環境研究総合推進費(JPMEERF20222G01)により実施しました。引き続きS-24のもと開発を継続しています。
お問い合わせ先
ツールの機能や操作性に関するご意見や、限定公開に関するお問い合わせがございましたら、以下の宛先にご連絡ください。
Eメール:amanuma.eri#nies.go.jp(#はアットマークを入れてお送りください)
(公開日:2025年3月31日)