サンゴ礁保全再生に向けた地域づくり
掲載日 | 2023年8月16日 |
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分野 | 自然生態系 / 普及啓発 |
地域名 | 九州・沖縄(沖縄県恩納村) |
気候変動による影響
沖縄地方の年平均気温は、100年あたり1.69℃の割合で上昇しています(注1)。また、直近50年である1971年以降の変化傾向は100年あたり2.37℃の上昇となっており、近年昇温が著しくなっています。このような気候変動に伴い生じる水温上昇や強光(注2)は、サンゴの白化現象(注3)を引き起こすため、サンゴ礁保全再生に向けた活動が求められています。
取り組み
沖縄県恩納村では、2018年7月21日に「サンゴの村宣言」を行い、環境負荷が少ない持続的発展が可能な社会の構築に向け、サンゴをキーワードに自然環境に優しい地域づくりに取り組んでいます(図)。具体的には、「サンゴのむらづくりに向けた行動計画」に基づき、以下の5つの分野において様々な取組を展開しています。
分野 | 取り組み事例 |
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普及啓発・情報発信 |
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人材育成 |
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自然環境 |
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生活環境・産業振興 |
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活動の継続 |
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効果/期待される効果等
恩納村では、2003年より恩納村漁協、商工会、村内事業所、県内観光関連事業者等と連携してサンゴの植付けを実施しています。 また、2002年からは恩納村漁協の管理下において、サンゴの天敵であるオニヒトデの駆除も行われています。
恩納村沿岸のサンゴ群集は、これらの保全再生への取組により、全体的に2010 年以降は緩やかに回復がみられています。
今後も、「サンゴのむらづくりに向けた行動計画」の取組によって、更なるサンゴの保全と育成が期待されています。
脚注
(注1)観測期間:1946-2021年
(注2)強光:夏季の太陽(極端な日射)のような強い光のこと。強光は、光合成速度と環境の光の強さの直線的な比例関係を失わせ、光合成機構の異常を引き起こし白化が生じると考えられている。また、高水温下での光阻害現象はサンゴ白化の誘発要因の一つであると考えられている。
(注3)サンゴの白化現象:造礁サンゴに共生している褐虫藻が失われることで、サンゴの白い骨格が透けて見える現象。原因は、温暖化等による海水温の上昇、強光などのストレスとされている。
出典・関連情報