SDGsと気候変動適応
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2015年9月の国連サミットで採択された国際目標であり、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指して、途上国のみならず、先進国を含む全ての国が取り組む目標となっています。
SDGsの目標は、気候変動適応を事業戦略に位置付ける上で重要な指針となります。事業者が気候変動適応を促進するにあたっては、SDGsの観点からのアプローチも有効です。
図1 SDGsと気候変動適応の関係
(出典:国際連合広報センター「SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン」よりロゴを引用、国立環境研究所「ココが知りたい地球温暖化 気候変動適応編」を基に作成)
SDGsとは?
SDGsは、「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発」を意味する「持続可能な開発」の考え方(1987年に提唱)を背景として発展してきた国際的な目標です。
2000年以降に国際社会が取り組んだMDGs(Millennium Development Goals:ミレニアム開発目標)では極度の貧困と飢餓の撲滅など2015年までに達成すべき8つの目標が掲げられ、一定の成果をあげました。MDGsの後継となる「持続可能な開発のための2030アジェンダ」(2015年9月に国連で採択)の基本的な考え方には、MDGsで課題とされた格差の問題を踏まえ、地球上の「誰一人取り残さない」ことが明確に掲げられており、中核をなす国際目標としてSDGsが位置付けられています。
SDGsは17のゴールと169のターゲットから構成されています。これは、産業革命以降の温室効果ガス増加による気候変動、環境汚染、資源の過剰な消費、そして人間活動に起因する生物多様性の喪失など、国際社会全体が共通の課題として認識し、協働して解決に取り組むことを決意したものです。
SDGsの大きな特徴の一つは、途上国に限らず先進国を含む全ての国に目標が適用されるユニバーサリティ(普遍性)です。また、環境、経済、社会の三側面は一体不可分であるという考え方が貫かれており、目標達成のためには、政府、企業、自治体、研究機関、市民団体など多様な主体が連携・協力することが不可欠です。
図2 SDGsの17のターゲット
(出典:国際連合広報センター「SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン」よりロゴを引用)
SDGsと気候変動適応は関係している?
SDGsには目標13「気候変動に具体的な対策を」が設定されており、気候変動への対策を促す5つのターゲットが示されています。
図3 SDGsの目標13におけるターゲット
(出典:国際連合広報センター「SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン」よりロゴを引用)
気候変動の影響は、気温上昇、豪雨・暴風の頻発、海水温の上昇や海洋酸性化などを通じて、農林水産業、水資源、自然生態系をはじめとする多様な分野に及んでいます。このため、SDGsの目標1~17の多くと密接に関連しています。
しかし、気候変動適応はSDGsの達成によって完結するものではありません。SDGsが2030年までに達成すべき目標として設定されている一方で、気候変動の影響は2030年以降も継続すると見込まれています。
SDGsは2015年の採択時点で認識されていた課題の解決を主眼としていますが、今世紀後半に顕在化する新たな影響や、将来の技術革新・社会変革を踏まえた適応の課題は、SDGsの期間内に収まるものではありません。
このため、気候変動適応はSDGsの枠組みを超えた長期的視点で継続的に検討すべき重要課題です。
SDGsへの取組が適応ビジネス・リスク管理にどうつながる?
気候変動による影響は多様な分野に及ぶため、気候変動適応はSDGs13以外の目標とも関連しています。
SDGs目標 × 適応に資する例
このような取組は、SDGsの目標達成に貢献すると同時に、気候変動リスクの低減にもつながります。 さらに、気候変動影響に伴う新たなニーズに対応した製品・サービスの開発など、適応ビジネスの創出にも結びつきます。
図4 気候変動適応の取組とSDGsの目標の連携
(出典:国際連合広報センター「SDGsのポスター・ロゴ・アイコンおよびガイドライン」よりロゴを引用して作成)