「令和2年度 気候変動適応研修」を開催しました。

日時
  1. 仙台市(東北地域向け):令和2年7月31日(金)10:30~17:30
  2. 岡山市(中国・四国地域向け):令和2年8月7日(金)10:30~16:10
  3. 近畿地域向け(オンライン限定):令和2年8月28日(金)10:30~16:10
場所
  1. 仙台市:TKP ガーデンシティ PREMIUM 仙台西口 ホール4A
    (宮城県仙台市青葉区花京院1-2-15)
    https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/gcp-sendai-nishiguchi/access/
  2. 岡山市:TKPガーデンシティ岡山 バンケット4B
    (岡山県岡山市北区中山下1-8-45 NTTクレド岡山ビル)
    https://www.kashikaigishitsu.net/facilitys/gc-okayama/access/
  3. 近畿地域向け(オンライン限定):現地会場設定せず

2020年7月31日、8月7日、8月28日の3回にわたり、地域の気候変動影響情報の収集・整理や地域気候変動適応計画(以下地域適応計画)の策定方法に関する理解を深めていただくため、地方公共団体や地域気候変動適応センター(以下LCCAC: Local Climate Change Adaptation Center) 等の職員を対象とした研修を開催しました。3回の研修の合計で、全国約90の地方公共団体・関連団体等から約140名の方にご参加いただき、活発な議論がなされました。

新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、東北地域、中国四国地域では現地参加およびオンライン参加双方を対象に、また近畿地域では完全オンラインにて研修を実施しました。現地会場での活発な議論に劣らず、オンライン上でも積極的な議論が交わされ、今後の地域での適応推進におけるオンライン活用への期待が膨らむ研修となりました。

東北研修現地会場のひとコマ 中国四国研修参加者集合
スクリーンショットのひとコマ
近畿研修参加者集合
スクリーンショットのひとコマ

研修は、基本的な考え方や知識を共有するため、午前中は講義を中心としたプログラムを実施しました。国立環境研究所・気候変動適応センター(以下CCCA: Center for Climate Change Adaptation) から「地域気候変動適応計画の目的と考え方」、「国立環境研究所による地方公共団体支援について」、「気候モデル・気候シナリオについて」をテーマに、また、地方気象台から「地域の気候の現状と将来予測について」をテーマに講義が行われました。

近畿研修の講義画面

東北研修の講義のひとコマ

午前中の講義対して、参加者からは下記の質問がありました。

  • CCCAがLCCAC等と共同実施する共同研究適応型の実施枠組・参加要件
  • 地域における最新の気候変動影響観測・予測データの入手方法や注意点
  • 第2次影響評価報告書にて参照されている学術論文の内容確認方法
  • CCCAが導入支援を実施しているWeb GISの具体的な活用方法

午後は、「地域気候変動適応計画策定マニュアル」の各STEPの考え方に関する講義の後、地域適応計画策定の具体的な事例を、府県及び市から1例ずつ紹介いただきました。それに続き、地域適応計画策定における情報収集・部局間連携をテーマに、事例紹介をしていただいた地方公共団体、環境省地方環境事務所、CCCAのメンバーによるパネルディカッションを実施しました。

東北研修のパネルディスカッションのひとコマ

近畿研修のオンラインパネルディスカッションのひとコマ

地方公共団体の事例紹介やパネルディスカッションに対して、多くの質問が寄せられ、参加者の皆様の関心の高さや熱量の大きさを感じました。

  • 庁内各部局が実施している施策・取組と「適応」との関連付けの工夫
  • 庁内横断的な勉強会や検討会を開催するに当たっての工夫
  • 地域の気候変動影響情報の収集・評価における研究機関等の活用・連携方法
  • 計画の進捗管理や各種施策・取組実施後の手応えおよび反響
  • 適応に関する施策・取組のビジネス分野への展開

その後、パネルディスカッションのテーマとして取り上げた、「気候変動影響の情報収集を行う上での課題」、「他部局との連携・庁内調整に向けた課題」について、参加者が抱えている課題の共有を行い、「課題解決に向けて現状でできること」を考えるグループディスカッションを実施しました。各研修で現地・オンライン参加合わせて5~7グループに分かれて議論を行い、その成果を全体に発表しました。

東北研修のグループディスカッション発表のひとコマ

中国四国研修のグループディスカッション発表用スライド例

東北研修では、最後に現地参加者のみで「地域気候変動適応計画策定マニュアル」のSTEP1~3の具体的な作業のロールプレイ体験を行うグループワークを実施しました。実際に手を動かしながら、気候変動影響等に関する情報収集作業のイメージをさらに膨らませ、どこに使える情報があるのか、関連する情報取得ツール等の活用方法について理解を深めていただきました。

東北研修のグループワークのひとコマ

東北研修のグループワークのひとコマ

  • STEP1:地域気候変動適応計画策定/変更に向けた準備
  • STEP2:これまでの気候変動影響の整理
  • STEP3:将来の気候変動影響の整理

中国四国地域、近畿地域では、新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、会話主体のグループワークは中止としましたが、研修終了後、希望者向けに「地域気候変動適応計画策定マニュアル」のSTEP1~3に関連する情報取得の方法等について、事務局より追加説明を行いました。長時間の研修後にもかかわらず、こちらの説明にも多くの方が参加され、活発な質疑も展開されました。

今回の研修は、気候変動適応法に基づく地域への技術的援助の一環として、地域適応計画策定を検討している地方公共団体職員や、気候変動適応の担当経験の浅い職員を主な対象とし、地域適応計画の策定をテーマに実施いたしました。今回参加いただいた皆様からの要望も踏まえ、引き続き地域の適応推進に役立つ研修を企画して参ります。

(2020年9月11日掲載)

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