山間地域のマイクログリッド構築~災害時の停電ゼロ~

掲載日 2023年7月19日
分野 国民生活・都市生活
地域名 関東(群馬県)

気候変動による影響

気候変動の影響による自然災害により、毎年大きな被害が発生しています。自然災害時における被害の一つとして停電があり、この停電リスクへの対応は重要となっています。気候変動の脅威は、私たちにとって遠い世界のことではなく、現実の問題となっています。

取り組み

群馬県上野村は、災害等による大規模停電時に、周辺電力系統から独立したグリッド(電力供給網)により電力供給が可能な自立分散型の電力システムを構築するため、地域マイクログリッド(注)の構築に向けたマスタープランを2020年度に作成しました。このマスタープランは、木質バイオマス発電設備や太陽光発電設備などの再生可能エネルギーを最大限活用した自立分散型エネルギーシステムを構築し、「上野村モデル」という群馬県における一つの地域モデルを目指すものです(図)。

具体的な取り組みとして、 住宅及び村有施設、避難所等への再生可能エネルギー発電設備・蓄電システム・電気自動車(EV)・省エネ設備等の導入を進めています。 それに加えて、上野村では、地域が保有している木質バイオマスをエネルギーとして利用するため、木質ペレットの活用を進めています。木材としての活用が難しい端材や曲がり材等をペレットに加工し、村内の温泉施設や福祉施設等の暖房や給湯用の燃料として利用しています。また、国内初となる木質ペレットガス化熱電併給システムも導入するなど、地域のエネルギーリソースを活用した地域マイクログリッドとして「上野村モデル」の構築を進めています。

効果/期待される効果等

上野村は、地域マイクログリッドの構築を進めながら、各家庭への蓄電池の普及を進めることで、災害時にも電力供給力を継続し、災害時の停電を「ゼロ」にすることを目指しています。また、群馬県ではこの事業を群馬モデルとして県内の他市町村にも展開し、県民の安全・安心を支える社会基盤の構築を進めています。

地域マイクログリッド構築イメージ
図 地域マイクログリッド構築イメージ
(出典:群馬県「群馬県地球温暖化対策実行計画2021-2030(令和3年3月))

脚注
(注)地域マイクログリッド:地域の再生可能エネルギーを活用し、災害等による大規模停電時には周辺電力系統から独立したグリッド(電力供給網)により電力供給が可能な自立分散型の電力システム

出典・関連情報

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