災害救援ボランティア講座(気候変動編)
掲載日 | 2023年11月14日 |
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分野 | 普及啓発 |
地域名 | 全国 |
気候変動による影響
近年、地球温暖化による気候変動が影響を及ぼしていると思われる気象災害が増加しています。その被害には発生頻度や強度が増す極端な降雨や大型化する台風等がもたらす風水害・土砂災害に加え、気温上昇がもたらす暑熱環境の悪化による健康被害等が挙げられます。
令和元年9月9日に観測史上最強クラスの勢力で上陸した台風第15号では、千葉県を中心に記録的な暴風と大雨を記録し、広範囲で大規模な停電が発生しました。この停電の影響により、千葉県の9月9日~15日における熱中症救急搬送人員は、前週(9月2日~8日)より約3倍増加し498人となりました。
取り組み
公益財団法人日本法制学会災害救援ボランティア推進委員会(注1)は、大地震災害への被災地支援活動を担うボランティアリーダー(セーフティーリーダー)を養成する「災害救援ボランティア講座」を1995年より開講、継続してきました。同委員会では、気候変動に起因すると思われる気象災害に対する支援活動が増えてきた状況を踏まえ、新たに「災害救援ボランティア講座(気候変動編)」を開講しました。
新講座では、地球環境分野、水災害分野、医療分野、情報分野、そして災害ボランティア分野の新たな連携によって、気候変動により激甚化する被害(注2)を回避、軽減する活動の枠組みを取り入れています。講義科目には、各分野の最先端で活躍する講師による講義の他、ワークショップも組み込まれています(図)。今回のワークショップ「災害時の熱中症対策を考える」では、災害救援ボランティアとしての初期行動や応急処置などについて、ロールプレイを通した実践的なトレーニングプログラムを提供しています。
効果/期待される効果等
新講座を通じて気候変動の理解を広めることにより、防災気象情報、熱中症警戒アラート等の警報を活用したボランティア活動も可能となります。また、気候変動の知識を有する災害救援ボランティア活動は、人々の防災意識だけではなく、環境意識も高める重要な役割を果たし、ひいては地域社会の安全性向上に寄与します。
脚注
(注1)阪神・淡路大震災の教訓をもとに、大災害を想定した災害救援ボランティアリーダーの育成・登録活動にあたる民間団体として1995年7月に設立。
(注2)ここで述べる被害とは、第1に最大想定の風速、雨量による大規模風水害を想定し、第2に暑熱環境による大規模健康被害を想定する。
出典・関連情報