気候変動による影響
今後予測される気候変動の影響や人口増加の観点から考えると、栄養価や品質の高い果物・野菜の供給量を十分に確保することは社会にとって非常に重要となります。 例えば、トマトの場合、生育気温は18℃から29℃が理想の気温ですが、フランスの研究により、気温が2℃上昇した場合に、トマトの収量が増加する一方で品質に負の影響があることが分かりました。
掲載日 | 2019年1月30日 |
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分野 | 農業・林業・水産業 |
地域名 | 海外(ヨーロッパ・EU) |
今後予測される気候変動の影響や人口増加の観点から考えると、栄養価や品質の高い果物・野菜の供給量を十分に確保することは社会にとって非常に重要となります。 例えば、トマトの場合、生育気温は18℃から29℃が理想の気温ですが、フランスの研究により、気温が2℃上昇した場合に、トマトの収量が増加する一方で品質に負の影響があることが分かりました。
TomGEMというプロジェクトは、厳しい気温条件下において果物や野菜の高い生産量と品質を維持することを目的に、EUの助成を受けて2016年から4年間の事業として立ち上げられました。トマトを代表作物として、品種改良と管理手法を確立することを目的としています。
主な目的は次の4つです。①高温下における着果、収量の安定性、果実品質において優れた遺伝子型の選択、②果実収量の耐熱性に関する遺伝子配列と品種多様性の特定、③高温下における、選定された遺伝子型の着果率を向上するための最適な生長条件の準備、④高温下で品質低下せずに高収量を確保するための品種改良と様々な地理的条件でも使える管理手法の開発。
新しいトマト品種の開発と管理手法によって、気候変動の影響に直面するトマト生産の収量向上と品質改善が期待されます。