気候変動による影響
平成29年に大阪を訪れた外国人旅行者は1,110万人と、過去最高を記録しました。大阪では観光地としての魅力向上や受入環境整備に取り組む一方で、災害時における外国人旅行者の安全確保について対策を講ずる必要性も高まっています。現在、大阪府域における短時間強雨の発生回数は増加傾向にあります。また、強い台風の増加による高潮等の浸水による後背地(注1)の被害が懸念されています。また、国の「気候変動適応計画」においても、風水害による旅行者への影響が懸念されています。
掲載日 | 2021年1月4日 |
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分野 | 産業・経済活動 |
地域名 | 近畿(大阪府) |
平成29年に大阪を訪れた外国人旅行者は1,110万人と、過去最高を記録しました。大阪では観光地としての魅力向上や受入環境整備に取り組む一方で、災害時における外国人旅行者の安全確保について対策を講ずる必要性も高まっています。現在、大阪府域における短時間強雨の発生回数は増加傾向にあります。また、強い台風の増加による高潮等の浸水による後背地(注1)の被害が懸念されています。また、国の「気候変動適応計画」においても、風水害による旅行者への影響が懸念されています。
大阪府では災害時などに外国人旅行者自らが、身を守るために必要な情報を入手できる環境づくりと、その情報を活用して適切な行動につなげられるよう、観光施設や宿泊施設等における支援体制構築のための取り組みを進めています。その一つとして、令和2年2月に「Osaka Safe Travels」の運用を開始しました。「Osaka Safe Travels」は、外国人旅行者の大阪滞在が安心・快適なものとなるよう、災害時等に必要な情報を多言語(12言語)で一元的に提供するウェブサイト及びスマートフォンアプリです(注2)。この「Osaka Safe Travels」を広く外国人旅行者に周知するため、名刺サイズでQRコードの入った広報カードを作成し、府内の観光案内所等で配布しています(図1)。
また、災害発生から帰国に至るまでの間、外国人旅行者への支援が適当かつ円滑に行われるよう関係機関の役割分担を整理するとともに、相互の連絡調整体制の構築を図ることを目的として、「府内観光関連事業者向け 災害時における外国人旅行者 支援フロー(案)」を平成29年(平成30年改訂)に作成しました(図2)。その「支援フロー(案)」に記載されている内容のうち、日頃から外国人旅行者と関わることの多い宿泊施設・観光施設の事業者に向けて、「外国人旅行者の安全確保・帰国支援に関するガイドライン」を作成しています。このガイドラインには、大阪府の災害に関する予備知識や発災時の対応方法等が、実際の支援に活用できるツールの紹介と合わせて記載されています。
観光関連事業者向けに行われている取り組みは、外国人旅行者を安心・安全に受け入れる体制の強化へ繋がることが期待されています。こうした外国人旅行者に特化した安全確保の取り組みについて、大阪府では新たな知見や他都市における取組事例などを踏まえ、適宜内容を見直していく予定です。
図1 災害多言語情報ウェブサイト・アプリ”Osaka Safe Travels”
(出典:大阪府ホームページ「外国人旅行者の安全確保事業」)
図2 災害時における外国人旅行者 支援フロー(案)
(出典:大阪府 府民文化部都市魅力創造局企画・観光課「府内観光関連事業者向け 災害時における外国人旅行者 支援フロー(案)」)
脚注
(注1)港湾の果たす経済的機能の広がる地域の他、社会的諸機能(通勤、通学、買い物、通院など)が及ぶ都市圏をいう。
(注2)公益財団法人大阪府国際交流財団(OFIX)が提供するサイト(https://www.osakasafetravels.com/)。英語、繁体字、簡体字、韓国語、タイ語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語、フィリピン語、インドネシア語、ネパール語、日本語の12言語で掲載。