「第4回民間事業者による気候変動適応推進シンポジウム ― TCFDにおける物理的リスクへの取組に向けて ―」を開催しました。

開催日 2021年10月22日
開催地
  • オンライン開催(Zoomウェビナー)

事業者の適応を促進することを目的として「第4回民間事業者による気候変動適応推進シンポジウム ― TCFDにおける物理的リスクへの取組に向けて ―」を環境省と国立環境研究所で共催しました。シンポジウムは3部構成となっており、第1部では気候変動影響・適応に関する最新の科学的知見について、第2部ではTCFDに関連する国の取組動向について、第3部では民間企業によるTCFD取組の事例について、あわせて10講演が行われました。

当初は定員200名を予定していましたところ、大変多くの方にお申込みを頂きましたため、定員を500名に拡大しての開催となりました。また、事後アンケートには約154名の方からご回答をいただきました。以下、各プログラムの概要およびアンケート集計結果の一部をご報告します。

シンポジウムの様子

【第1部:気候変動影響・適応に関する最新の科学的知見】

  • 開会挨拶 環境省
  • 講演1 環境省「気候変動影響と企業の適応」
  • 講演2 文部科学省「気候データがつくる持続可能な未来について」
  • 講演3 国立環境研究所「国環研が発信する気候変動適応のための科学的知見」
  • 質疑応答

プログラムの第1部では、気候変動影響・適応に関する最新の科学的知見についての講演を行いました。
[図1 第1部の感想]は、プログラム第1部の参加者の内、146名からご回答頂いた第1部の感想を示します。98%の回答者から参考になったとのご回答を頂きました。[第1部の参加者からのコメント]に回答者のコメントの一部をご紹介します。

図1  第1部の感想 第1部の参加者からのコメント
  • 各省庁の取組と特性が把握でき、今後の活動指針として有効でした。
  • 気候変動について、企業も活用できるツールがあること確認できた。
  • 文科省さんのデータベースのはなしは、当社が先日おこなった影響評価の元となるデータベースだったため、その背景が良く理解できました。
  • 各種ツールや支援制度のより具体的な活用方法や、SDGs、ESGなどとの関係性などについてもう少し詳細に伺うことができれば、なお実効性のあるものになると思います。
  • 各省のツールが豊富になってきて大変参考になるのですが、どれをどう使ったらよいか迷うため、横断的な案内資料(環境省のは特にココ、文科省のはこうことに向いてるなどの)、どれが最新版のモデルか等の横断情報があるとさらに助かります。。
シンポジウムの様子(第1部)

【第2部:TCFDに関連する国の取組動向】

  • 講演4 経済産業省「TCFDに関する動向と経済産業省の取組」
  • 講演5 国土交通省「不動産分野 TCFD 対応ガイダンスの概要について」
  • 講演6 農林水産省「食料・農林水産業の気候関連リスク・機会に関する情報開示入門(TCFD手引書)の概要について」
  • 講演7 環境省「脱炭素経営の支援」
  • 質疑応答

第2部では、TCFDに関連する国の取組動向について各省庁よりご紹介頂きました。
[図2 第2部の感想]は、プログラム第2部参加者の内、147名からご回答頂いた第2部の感想を示します。97%の回答者から参考になったとのご回答を頂きました。[第2部の参加者からのコメント]に回答者のコメントの一部をご紹介します。

図2  第2部の感想 第2部の参加者からのコメント
  • 各省の分野別に業種別の資料が増えてきて参考になると思いました。
  • 各省庁において、このようなTCFDの取組みをされていることを存じ上げませんでした。
  • シナリオ分析の二巡目に取り組むうえで、参考になった。データを探すのに苦労するが、紹介された資料を参考にします。
  • 今後の施策の方向性やロードマップなどをご教示いただければ、一層理解が進むと感じています。
シンポジウムの様子(第2部)

【第3部:民間企業によるTCFD取組の事例】

  • 講演8 キリンホールディングス株式会社「キリングループのTCFDシナリオ分析と環境戦略」
  • 講演9 東日本旅客鉄道株式会社「JR東日本におけるTCFD提言の取組み」
  • 講演10 株式会社三井住友フィナンシャルグループ「SMBCグループにおけるTCFD提言の取組について」
  • 質疑応答
  • 総括及び閉会挨拶 国立環境研究所

第3部では、民間企業によるTCFD取組の事例として、先進的な取組を進められている企業にご発表頂きました。
[図3 第3部の感想]は、プログラム第3部の参加者の内、141名からご回答頂いた第3部の感想を示します。96%の回答者から参考になったとのご回答を頂きました。[第3部の参加者からのコメント]に回答者のコメントの一部をご紹介します。

図3  第3部の感想 第3部の参加者からのコメント
  • 企業の具体的な取り組み、分析プロセスが詳細にわかり勉強になりました。
  • 各社ともリスクと機会が自社事業とうまく融合できていて、とても参考になった。
  • 方向性などを自社でも取り入れたいことが多く、非常に役立ちました
  • 農業、インフラ、金融は、気候変動リスクの見えやすい産業と思います。次は、製造業やITなど気候変動の影響が直接的でない産業の取り組みを知りたいと感じました。
  • 今回は大企業の取り組みをご紹介いただいたので、中小企業の取り組みについても共有いただく機会があれば、ぜひ参加したいと思います。
シンポジウムの様子(第3部)

[図4 今後詳しく知りたいトピック]は、今後より詳しく知りたいトピックについて、該当するトピックを選択した回答者数を示します。「その他」を選択した回答者のコメントの一部をご紹介します。

図4  今後詳しく知りたいトピック 「その他」の内訳
  • 中小規模の事業者に対する対応に関する初歩的な説明と支援策の提案
  • 業種別に詳しく気候変動への対応について示唆いただいたり情報を共有いただければと存じます。

本シンポジウムにつきまして、回答者の皆様に高いご評価を頂きました。また、シンポジウムに関するご意見・ご要望や、国気候変動適応センターやA-PLATに対するご要望もお寄せいただきました。気候変動適応センターでは今後もみなさまに有益な情報の配信を目指して活動していきます。

講演資料や講演動画また、参加者に事前にとったアンケートの結果概要を下記リンクからご確認頂けます。

(2022年1月19日掲載)

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