シンポジウム報告: 第4回国際気候変動適応プラットフォーム会議
開催日 | 2023年12月15日 |
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開催場所 | 東京およびオンライン |
気候変動適応センターの下で3年ぶりの開催となった国際会議
気候変動適応センター(CCCA)は、2023年12月15日に東京で第4回国際気候変動適応プラットフォーム会議を開催しました。この会議の目的は、世界中のプラットフォームの代表者による議論を通じて、気候変動適応のためのプラットフォーム構築に関する知見を深め、ネットワークを強化することにあります。COVID-19の影響により、3年ぶりの会議となりました。
世界各地の気候変動適応プラットフォームが参加
会議では、世界各国で適応プラットフォーム運営する組織の代表者が集い、最近の活動について報告しました。発表者は以下の通りです。
- 真砂佳史(国立環境研究所): “A-PLATの最近の進捗について”
- 町村輔(国立環境研究所): “地方自治体支援チームの活動概要”
- 岡 和孝(国立環境研究所): “民間セクターチームの活動概要”
- Heather Morrison, Sarah Rayfield、および Trevor Murdock (Canadian Centre for Climate Services) “適応を可能にする気候サービスの提供”
- Kati Mattern(European Environment Agency)”ヨーロッパにおける適応政策と実践への情報提供—ヨーロッパ気候適応プラットフォーム/Climate-ADAPT”
- Young-Il Song (Korean Environment Institute)”気候変動影響評価システムの紹介”
- Rodel D. LascoおよびAyn G. Torres(Oscar M. Lopez Center)”気候変動知識と行動の橋渡し: 適応のためのWebベースツール”
- Hsin-Chi Li(National Science and Technology Center for Disaster Reduction )”台湾における気候リスク評価と適応知識構築”
- 増冨祐司(国立環境研究所)”アジア太平洋気候変動適応情報プラットフォーム(AP-PLAT)の最近の進捗”
- Ofa KaisamyおよびRachel Nunn(Pacific Climate Change Centre/ Secretariat of the Pacific Regional Environment Programme)”太平洋気候変動センターの概要”
- Geoff Gooley(CSIRO (Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation))”太平洋気候変動科学&サービスCSIRO/SPREP協力: 概要、戦略、および次のステップ”
- Sanjay Srivastava(アジア太平洋経済社会委員会)”アジア太平洋地域における災害リスク削減とレジリエンスのための気候変動適応の加速”
- Ramesh SoysaおよびGuilberto Borongan( Regional Resource Centre for Asia and the Pacific / Asian Institute of Technology ”アジア太平洋地域リソースセンター(RRC. AP)の紹介”
議論を通したプラットフォームへのニーズを模索し、シナジーを創出する
プレゼンテーションに刺激され、多くの参加者が適応プラットフォームの推進に役立つ意見を交換しました。議論では、さまざまなセクターへの適応情報の提供方法や民間セクターとの協力関係について注目が集まりました。 また、異なる国々で実施されている既存のガバナンスシステムが適切に適応を促進しているかどうかについても考察がなされました。オックスフォード大学環境変化研究所の名誉研究員及びグリーン・テンプルトン・カレッジのアソシエイト・フェローであるロジャー・ストリート氏は、、地域社会の適応アクションを促進するために、セクターごとに分かれた現在の戦略立案方式からより体系的なアプローチに切り替えることの重要性を指摘しました。 議論の最後には、今回のような定期的な会議の重要性を全員が確認し、協力関係の次のステップについて話し合われました。
会議に参加したすべての参加者に心から感謝します。そして、今回の議論の成果が、世界中の気候変動適応プラットフォームの協力を強化するのに役立つことを願っています。
出典・関連情報
(2024年3月13日掲載)