| 開催日 | 2024年12月17日 |
|---|---|
| 開催地 | 航空会館ビジネスフォーラム |
| 参加者 | 150名程度(国の研究機関・大学等:80名程度 地域気候変動適応センター等:70名程度) |
気候変動適応の研究会とは
気候変動適応の研究会は国の21研究機関により構成される気候変動適応に関する研究機関連絡会議のもとで、地域での気候変動適応の実践(社会実装)に向けて、研究者・実務者等が具体的な連携を模索することを目標に活動しています。
令和6年度の研究発表会・分科会について
昨年度同様、国の研究機関と地域気候変動適応センター(以下、LCCAC)の対話・共創・交流を大きな目的として開催されました。昨年度よりも多い150名超の参加者をお迎えし、最新の研究についての情報共有・情報収集や、午後は4つの分科会において、それぞれLCCAC(地域)のニーズの把握と解決も含め分科会ごとに様々な形式での議論を行いました。また、より気軽で自由な対話の場の創出を目指し、フリートーク形式によるランチタイムミーティングの時間を今年度新たに設けました。
当日のプログラム
| 研究発表会(AM)※3会場で実施。敬称略。 | ||
|---|---|---|
| 【A会場】 | 【B会場】 | 【C会場】 |
| 温暖化レベルに伴う影響度・適応効果の定量的評価(主に農作物を対象として)西森 基貴(農研機構) | 気候変動適応へのJAXA衛星観測情報利用沖 理子(宇宙航空研究開発機構) | 水道における気候変動の影響と対策小坂 浩司(国立保健医療科学院) |
| 気候変動適応型作物の創出技術の開発および活用 関 原明(理学研究所)気候変動適応に関連する | NICTの取組 佐藤 知紘(情報通信研究機構) | 過去40年程度の発生・流出流木量の経年的な変化傾向秋田 寛己(防災科学技術研究所) |
| 森林生態系、林業分野における気候変動の影響予測および適応策の動向中尾 勝洋(森林総合研究所) | 従来型観測を用いた日本域長期領域再解析RRJ-Convの紹介福井 真(気象研究所) | インフラ分野における衛星活用リモセン技術の社会実装に向けた検討状況吉田 邦伸(国土技術政策総合研究所) |
| 水産分野における気候変動影響の地域差と適応策木所 英昭(水産研究・教育機構) | 地域気候サービスのための生成AI基盤モデル開発に向けた取り組み松岡 大祐(海洋研究開発機構) | 都市・時間別の暑熱環境予測に基づく将来のスポーツ活動における適応策の検討大山 剛弘(国立環境研究所) |
| 全国の海草・海藻藻場の分布・CO2吸収量の推定茂木 博匡(港湾空港技術研究所) | 気候変動適応に貢献する北極域データアーカイブシステム矢吹 裕伯(国立極地研究所) | 温熱シミュレータによる暑さ対策の評価足永 靖信 (建築研究所) |
| 気候変動適応に関する欧州(EU)の取り組みと進捗状況中村 亮二(科学技術振興機構) | インドネシアとフィリピンの河川流域を対象としたd4PDFダウンスケーリング牛山 朋來(土木研究所) | 大規模アンサンブル気候予測データベース(d4PDF)を利用した将来の自治体レベルの暑熱環境中島 虹(産業技術総合研究所) |
| 昼食・ランチタイムミーティング | |
|---|---|
| 分科会(PM) | |
| 暑熱・健康・都市分科会 | 農林水産業分科会 |
| NbSと気候変動適応分科会 | 気候データ・シナリオ分科会 |
| 総会 | |
| 会場内にて交流会 | |
※研究発表会の資料および分科会プログラムの詳細はこちらをご覧ください。
令和6年度 気候変動適応の研究会 研究発表会・分科会
研究発表会 ― 国の研究機関による最新研究成果やトピックの解説 ―
午前は国の研究機関による講演が3会場同時進行で行われました。最新成果の発表から研究助成金に関する情報など、大変興味深いテーマを各講演者の皆様にはご用意いただきました。特に農林水産業や暑熱関連のテーマについてはLCCAC担当者等参加者のご関心も高く、質疑応答等を通じ、研究成果を地域で活用していくための具体的手順や方法などが確認されていました。
分科会 ― 4分科会による議論・意見交換 ―
午後は分科会が行われました。今年度は「農林水産業」「NbSと気候変動適応」「暑熱・健康・都市」「気候データ・シナリオ」の4つの分科会体制の1年目です。これまでにも各分科会ではオンラインでのセミナーや勉強会等を開催してきましたが、今回は対面形式であることを活かしたプログラムが各分科会で企画されました。
暑熱・健康・都市分科会では、都市における建設や交通システムと気候変動に関する研究紹介や、地域での取組事例(暑熱対策など)紹介が行われました。昨年度好評を頂いたポスターセッション形式も継続し、発表者との直接のコミュニケーションの機会が積極的に活用されていました。
農林水産業分科会では、気象予報技術・水産・果樹をピックアップし、地域での取組や課題を全体で共有した後、テーマごとの座談会にて課題解決や技術的な協働に向けた議論が行われました。
NbSと気候変動適応分科会では、LCCACによる研究成果発表や、グリーンインフラによる気象災害被害の緩和の実例紹介などが行われました。その後、「NbSやEbAの共通理解・社会実装に向けた課題やアクション」をテーマにディスカッションが行われました。
気候データ・シナリオ分科会は「地域における気候データ・シナリオ利活用の成功例と苦労話の共有」をテーマに、事例紹介と座談会が行われました。LCCAC側で気候データを加工できるような技術支援を求める意見が挙がるなど、データ開発者と利用者の双方向的な対話の場として、活発な議論がなされていました。
総会 ― 活動の振り返りと今後の進め方について ―
一日の研究会活動の総括として、参加者全員が集合し、分科会座長からの活動報告と今後の研究会の活動方針などに関する議論が行われました。その中では、今後の研究会で取り組むべきことの一つとして、国民や県民・市民などに実際に適応策に取り組んでもらう(行動変容に繋げる)ための議論の場を設けることなどが提案されました。
その他、次年度も4分科会体制を継続しつつ、参画する方々から随時寄せられるご意見などを参考にしながら運営方法を検討していくことが確認されました。
おわりに
昨年度に引き続き完全対面形式でありながら、全国各地より多くの皆様にご参加いただき、気候変動適応に関するネットワークの発展・拡充をあらためて感じる機会となりました。
参加者より「対面でないと質問できないことも尋ねることができた」「自分たちと同じような悩みを抱える他地域の方と情報共有ができた」「エネルギーを感じた」などのご意見を頂きました。一方、「十分な議論の時間が無かった」「開催時間の重なった講演や分科会にも参加したかった」など、プログラムが過密であることのご指摘なども頂きました。本研究会は2020年の発足から5年度目を迎え、参加者数も年々増加しています。皆様のご意見を踏まえ、より充実した研究会活動となるよう事務局一同、精進してまいります。
本研究会での専門・担当分野や組織・立場などの壁を越えた交流が、皆様の今後の研究や業務に活かされていくことを心より願っております。
*翌日12/18日(水)に「令和6年度地域の気候変動適応推進に向けた意見交換会」が同会場で開催され、本研究会からも多数のご参加を賜りました。詳細は下記の関連情報をご覧ください。
事後アンケート結果(回答件数47件)
ご意見、ご感想など(一部抜粋・改変)
- これまで国の研究機関どうしの共同研究の模索が中心であったが、研究者と実務者の相互理解や意見交換・関係強化の場として機能するようになってきた。この方向で更なる充実に期待したい。
- ランチタイムミーティングや交流会で気軽にネットワークを強化できるのは良い。
- 研究発表会で会場ごとに進行スピードが違っていたり、参加したい分科会の時間が重なってしまうことがあったので、進行方法等をあらためて検討して欲しい。
- 研究に対する補助金や助成金などの情報を提供するプログラムがあると良い。
- 質疑応答の時間をもう少し長く設定すると、より発展的な意見が出るようになるかもしれない。