迅速な避難行動につなげる「マイ避難所運動」の推進

掲載日 2023年9月28日
分野 普及啓発
地域名 九州・沖縄(長崎県長崎市)

気候変動による影響

長崎県の年平均気温は100年あたり1.5℃の割合で上昇しており、日本の年平均気温の上昇(1.28℃/100 年)割合よりも大きくなっています(注1)。また気温上昇により、大気中に含むことができる水蒸気の量が増えることによって短時間強雨も増加しています。

長崎市では、1982年の長崎大水害(注2)以降、大規模な災害は発生していませんが、いつ発生してもおかしくはありません。

取り組み

長崎市では、平成30年度から「マイ避難所運動」を推進しています。この運動は、住民が自分の避難先を決め、いざという時の迅速な避難行動につなげるための取組です。「マイ避難所運動」では、日頃の備えとして、避難のタイミングや避難先をあらかじめ決めておくことを推奨しています。また、避難先としては市が指定する指定避難所だけではなく、安全な親戚・知人宅やホテル・旅館などの頑丈な建物も避難先の選択肢となることも推奨しています。これらの避難先は、避難生活のストレス軽減にもつながります。

長崎市では、このような「マイ避難所」を事前に決めておき、避難のタイミングや避難する場所を記載できる「マイ避難所シート」をホームページに掲載しています(図、注3)。「マイ避難所シート」を活用することで、あらかじめ指定避難所を把握し、どのタイミングで、どこに誰と避難するのか、ご家族や友人など、周囲の方々と話し合うことができます。

さらに、長崎市では、リアルタイム空き情報配信プラットフォーム「VACAN(バカン)(注4)」を活用しています。VACANでは、スマートフォンなどから指定避難所の場所、開設・混雑状況などを確認することができます。混雑状況の表示は、「空いています」、「やや混雑」、「混雑」、「満」の4段階で表示されます。

効果/期待される効果等

災害時の逃げ遅れ等の被害を防ぐためには、早めの避難行動と日頃の備えが大切です。家族や友人など、周囲の方々と話し合って「マイ避難所」を考えておくことで、いざというときにも落ち着いて行動することができるようになります。

マイ避難所シート作成例
図 マイ避難所シート作成例
(出典:長崎市ウェブページ「マイ避難所について考えておきましょう!」)

脚注
(注1)観測期間:1879-2021年
(注2)長崎大水害:昭和57年7月23日から25日にかけて降った豪雨。この大雨で長崎市を中心に死者・行方不明299名の人的被害を含む大きな災害が発生し、都市型災害の始まりとも言われた。
(注3)マイ避難所シートの雛形(PDF形式 498キロバイト) / マイ避難所シートの雛形(Word形式 667キロバイト)
(注4)株式会社バカンによるサービス。
 <避難所マップURL>https://vacan.com/area/nagasaki-city-evacuation/evacuation-center/10

出典・関連情報

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