郡山市3次元浸水ハザードマップ

掲載日 2024年5月23日
分野 自然災害・沿岸域 / 国民生活・都市生活
地域名 北海道・東北 (福島県郡山市)

気候変動による影響

東北地方の年平均気温は100年あたり1.3℃の割合で長期的に上昇しています(注1)。また、1時間に30mm以上の短時間強雨が降る回数は、長期的に増加しています(注2)。 地球温暖化による気温上昇に伴い、気温が高いほど大気が含むことができる水蒸気の量(飽和水蒸気量)が増加するため、大雨や短い時間でまとまって降る雨の頻度は、さらに増加すると考えられています。

取り組み

郡山市では、近年各地で多発する短時間に狭い範囲に強く降る「局地的大雨(ゲリラ豪雨)」による浸水被害を軽減するため、「郡山市ゲリラ豪雨対策9年プラン」を2014年に策定しました。このプランに基づき実施された取組の1つが、「3次元浸水ハザードマップ」の作成です。 3次元浸水ハザードマップは、ゲリラ豪雨等により発生が予想される市街地の浸水状況についてシミュレーション解析を行い、コンピューターグラフィックスを用いて立体的に表現したものです(図)。シミュレーション解析は、過去に実際にあったゲリラ豪雨と台風による豪雨の2ケースで行っており、市街地全域に同じように雨が降った場合を想定して解析しています(注3)。郡山市のウェブサイトにおいて、ゲリラ豪雨ケースでは48地点の、台風(長雨)ケースでは5地点の3次元浸水ハザードマップの動画を公開しています(2024年4月1日時点)。

効果/期待される効果等

3次元浸水ハザードマップより、詳細な地形や建物等の影響を考慮した浸水状況と時間の経過に伴う浸水の広がりを立体的な映像で確認することができます。そのため、浸水発生時における円滑で迅速な避難行動の促進や、日頃からの防災意識の向上が期待されます。 また郡山市では、近年の降雨形態の変化及び都市化の進展に伴う、都市型水害の発生による浸水被害の軽減化を図るため、関係者及び有識者等の20人以内で構成する郡山市総合治水対策連絡協議会を2014年から継続的に開催しています。協議会では有識者等からの意見聴取等を行いながら、郡山市の総合治水対策における事業評価や課題等の整理を行い、精力的に事業の推進をしています。

郡山市3次元浸水ハザードマップ
図 郡山市3次元浸水ハザードマップ
(出典:郡山市上下水道局「郡山市上下水道事業の概要について」(2022年5月16日))

脚注
(注1)観測データ期間:1890年から2020年
(注2)観測データ期間:1979年から2020年
(注3)ゲリラ豪雨のケース:2013年5月25日に降った時間最大101ミリメートルの雨を基にシミュレーションを実施。
    台風のケース:2011年9月21日台風15号により降った総雨量251ミリメートルの雨を基にシミュレーションを実施。

出典・関連情報

ページトップへ