雨水活用の情報交換を行う「雨水ネットワーク」
掲載日 | 2024年4月12日 |
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分野 | 水環境・水資源 |
地域名 | 全国 |
気候変動による影響
近年、地球温暖化に伴う気候変動によって、世界各地で洪水や渇水が多発し、深刻な浸水被害や食料生産への影響が懸念されています。国内においては、都市におけるゲリラ豪雨の発生や各地での記録的な集中豪雨の発生増加に伴い、雨との関係を見つめなおし、その付き合い方を考え直す必要性が高まっています。
取り組み
「雨水ネットワーク会議」は、深刻化する都市の水危機を総合的に解決するために健全な水循環系の再生を目指し、地域や枠組みを越え、情報の交換や共有、協働を行う組織として2008年8月に設立されました。その後、2014年の雨水の利用の推進に関する法律施行をきっかけに、雨水活用新時代に向けてより活動の場を広げるべく、2015年8月に「雨水ネットワーク(注、図1)」へ改名しました。
「雨水ネットワーク」は、雨水活用等に関する情報交換や交流を通じて、水循環の健全化に貢献し、持続可能な社会が構築されることを目指して以下の活動を行っています。
- 雨水に関わる人々のための情報プラットフォームづくり
- 雨水に関わる人々のネットワーク拡大と交流・協働の促進
- 雨水に関する知識や技術情報の収集と蓄積
- 雨水に関する情報の発信
- 雨水に関わる人々の情報交換および交流を目的としたイベントの開催
過去には福岡や東京、広島、愛知等やオンラインにて全国大会を開催しており、2021年の第13回大会(オンライン開催)では「雨は恵み?災い?~これからの雨とのつきあい方~」というテーマのもと、ディスカッションや活動報告が行われました。 また、雨水ネットワークのウェブサイトには、雨水利用に関する様々な疑問・質問に専門家集団が回答する掲示板「雨水利用相談所」が設けられており、投稿フォームよる質問を募集しています(図2)。
効果/期待される効果等
都市における雨水貯留や浸透技術の活用は、洪水防止に繋がります。また、貯留した雨水はヒートアイランド抑制のための打ち水や、災害時の代替水資源として利用可能となります。 「雨水ネットワーク」の活動を通して、雨水を排除するのではなく、様々な分野の人々が協働して“雨水をためて活かすことが当たり前の社会” を実現することが期待されます。
脚注
(注)雨水活用や雨を主とした水循環系の健全化等に関わる市民・企業・行政・学会等が形成する “緩やかな情報のプラットフォーム” 。2024年3月現在、40以上の市民団体・企業と4つの学会、34の自治体が会員となっている。
出典・関連情報