「気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)」は、気候変動による悪影響をできるだけ抑制・回避し、また正の影響を活用した社会構築を目指す施策(気候変動適応策、以下「適応策」という)を進めるために参考となる情報を、分かりやすく発信するための情報基盤です。

ブドウ「安芸クイーン」の着色向上技術

掲載日 2018年7月25日
分野 農業・林業・水産業
地域名 中国四国(広島県)

気候変動による影響

瀬戸内沿岸地域では成熟期の気温が高いため、ブドウの着色が不良となりやすく、特に赤色品種の「安芸クイーン」でその傾向は顕著です。そのため、現在着色の良い産地でも、温暖化に伴い着色不良問題が発生する可能性もあります。着色不良果は食味が良好でも価格が大きく低下します。環状はく皮(幹の皮部を環状に剥ぎ取ること)は着色を向上させることが古くから知られていますが、単に環状はく皮を行うだけでは効果は小さく、温暖地ブドウの着色向上には不十分です。

取り組み

広島県では、温暖地ブドウの着色を向上させる技術として、環状はく皮と着果量の軽減を組み合わせた処理について検討しました。

環状はく皮と着果量の軽減を組み合わせた効果の様子
図1 着果量の軽減と環状はく皮の効果
(出典:広島県立総合技術研究所農業技術センター「瀬戸内沿岸部におけるブドウ‘安芸クイーン’の着色向上技術の開発」)
幹の皮部を環状に剥ぎ取った様子
図2 環状はく皮直後のはく皮部の様子
(出典:広島県立総合技術研究所農業技術センター「環状はく皮と着果量の軽減の組み合わせによる温暖地ブドウの着色向上技術の開発」)
出典・関連情報
広島県立総合技術研究所農業技術センター「環状はく皮と着果量の軽減の組み合わせによる 温暖地ブドウの着色向上技術の開発」
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/5052.pdf
広島県立総合技術研究所農業技術センター「瀬戸内沿岸部におけるブドウ‘安芸クイーン’の着色向上技術の開発」
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki_file/kouhou/oldsrv/1212725883363/files/12345.pdf
環境省「STOP THE 温暖化 2017」
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/knowledge/Stop2017.pdf