「気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)」は、気候変動による悪影響をできるだけ抑制・回避し、また正の影響を活用した社会構築を目指す施策(気候変動適応策、以下「適応策」という)を進めるために参考となる情報を、分かりやすく発信するための情報基盤です。

高温対策でウミガメ孵化の保護

掲載日 2018年7月25日
分野 自然生態系 / 産業・経済活動
地域名 中国四国(徳島県)

気候変動による影響

アカウミガメの卵は砂で温められて約2か月で孵化しますが、適正温度は24~32℃で、この温度幅から外れた温度に長時間さらされると孵化できません。アカウミガメが産卵にやってくる徳島県の大浜海岸では、猛暑の7月、8月には砂の温度が33℃を大幅に超えており、直近10年間で卵の孵化率の低い年が目立つようになりました。さらにウミガメは孵化中の温度で性別が決まるため、砂の温度は重要です。

取り組み

そこで、日和佐・大浜海岸では、巣穴の温度を下げ、孵化率を上げる取り組みを始めました。定期的に水をまいたり、巣穴の表面を遮光ネットで覆って人工的な日陰を作ったりすることで、温度の上がり過ぎを防ぎました。これらの対策により、孵化率を良好に保てるようになりました。特に2年目の2017年は猛暑が続いたにもかかわらず孵化率70%となり、これまでの平均54%を大きく上回っています。

詳細を「地域の適応策インタビュー」で紹介しています。

巣穴の表面を遮光ネットで覆って人工的な日陰を作った様子
図 巣穴の表面を覆う遮光ネット
出典・関連情報
環境省「平成26年度・平成27年度 モニタリングサイト1000ウミガメ調査報告書」
http://www.biodic.go.jp/moni1000/findings/reports/index.html