「気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)」は、気候変動による悪影響をできるだけ抑制・回避し、また正の影響を活用した社会構築を目指す施策(気候変動適応策、以下「適応策」という)を進めるために参考となる情報を、分かりやすく発信するための情報基盤です。

類似する気候の地域を特定するClimate Analogues

掲載日 2019年2月21日
分野 農業・林業・水産業 / 普及啓発 / 適応計画
地域名 海外(アメリカ合衆国)

気候変動による影響

気候変動により農業に有利な気候となる地域もある一方で、そのような地域においても零細農家は恩恵を受けにくいのが現状です。気候変動により環境劣化が生じている地域では迅速な適応が不可欠と言えます。特に専業農家は、可能な限り早く新しい環境に適応していく必要があります。

取り組み

将来の気候の70%は現在のどこかの地域に類似するという推定を受け、国際農業研究協議グループ(CGIAR)が策定した研究プログラム「気候変動・農業・食料安全保障(CCAFS)」は「Climate Analogues」というツールを開発しました(図1)。Climate Analoguesでは、ある特定の地域の将来気候に類似した気候を現在持つ地域を特定することができます(図2)。農業従事者、研究者、政策立案者は、その地域から戦略や技術を学ぶことができます。また、その地域がどのように適応し、あるいは失敗をしてきたかという変遷を知ることも可能です。

効果/期待される効果等

現在の農法と将来の類似手法を比較することで、異なる地域間での農業従事者の技術の交換が進み、適応戦略や技術の試行・実証が進むことが期待されています。

Climate Analogues検索ページ
図1 Climate Analogueの検索ページ
(出典:CGIAR Research Program on Climate Change, Agriculture and Food Security (CCAFS). The analogues tool.))
異なる地域間で現在と将来の気候の類似性を示す例
図2 異なる地域間で現在と将来の気候の類似性を示す例
(出典:CGIAR Research Program on Climate Change, Agriculture and Food Security (CCAFS). Climate Analogues.)
出典・関連情報
CGIAR Research Program on Climate Change, Agriculture and Food Security (CCAFS). The analogues tool.
CGIAR Research Program on Climate Change, Agriculture and Food Security (CCAFS). Climate Analogues.
https://ccafs.cgiar.org/index.php/node/19757
みずほ情報総研「平成28年度農林水産分野における地域の気候変動適応計画調査・分析委託事業(諸外国における地域での気候変動の影響への適応に関する調査・分析業務)調査報告書」(農林水産省委託事業)
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/climate/report2018/attach/pdf/report-79.pdf