気候変動による影響
IPCCが開発した温室効果ガス排出シナリオSRES B2及びA2に基づくフランスの将来予測(2070~2099年)によると、年平均気温が1960~1989年比でそれぞれ2~2.5℃、3~3.5℃上昇し、また冬期の平均降水量が増加する一方で、夏期の平均降水量が減少すると予測されています。
掲載日 | 2020年2月10日 |
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分野 | 適応計画 |
地域名 | 海外(フランス) |
IPCCが開発した温室効果ガス排出シナリオSRES B2及びA2に基づくフランスの将来予測(2070~2099年)によると、年平均気温が1960~1989年比でそれぞれ2~2.5℃、3~3.5℃上昇し、また冬期の平均降水量が増加する一方で、夏期の平均降水量が減少すると予測されています。
フランスでは、2018年12月に第二次国家気候変動適応計画を策定しました(図)。計画を検討するにあたり、6つの項目(1.ガバナンス 2.予防とレジリエンス 3.自然環境 4.経済分野 5.知識と情報 6.国際的な活動)が設けられ、それぞれの項目ごとに設けられたワーキンググループが中心となり計画をまとめました。このうち「2.予防とレジリエンス」のグループは、洪水や干ばつ等、気候変動による更なる損害が予測される特定の危険に関する予防とリスク管理の課題に取り組みました。「予防とレジリエンス」には、4つの作業分野があり、その中の1つが「後悔しない」及び「win-win」となる戦略の優先順位付けでした。
「後悔しない」対策とは、便益を他の社会的・経済的・環境的課題と共有する取組を意味します。「後悔しない」対策は、一度特定されればその実行は容易で、将来の行動の確固たる基盤を提供することができます。また、緩和策と関連する取組が多くなっています。
「後悔しない」対策は、たとえ気候変動が起きなくても利益が生じるため、導入しやすいと期待されています。今回策定された提言は、単なる防御的な措置ではなく、「気候変動の原因に立ち向かいつつ、その影響と生きる」という予防的なアプローチへの移行を目的としたものになっています。
図 国家気候変動適応計画 2018-2022
(出典:Ministère de la Transition écologique et solidaire「le Plan national d’adaptation au changement climatique」)