気候変動による影響
気候変動が空調熱負荷に及ぼす影響を予測した研究では、夏期(6月~9月)と中間期(5月~10月)の冷房負荷の増加傾向や冬期(12月~3月)の暖房負荷の減少傾向、及びそれに伴う電力供給のピークの先鋭化が予測されています(図1)。
掲載日 | 2019年12月26日 |
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分野 | 国民生活・都市生活 |
地域名 | 関東(静岡県) |
気候変動が空調熱負荷に及ぼす影響を予測した研究では、夏期(6月~9月)と中間期(5月~10月)の冷房負荷の増加傾向や冬期(12月~3月)の暖房負荷の減少傾向、及びそれに伴う電力供給のピークの先鋭化が予測されています(図1)。
静岡県は現在、民間企業と協力して、県独自の電力需給調整システム「ふじのくにバーチャルパワープラント(VPP)」(図2)の構築を推進しています。VPPは、太陽光・風力発電や家庭用燃料電池などのコージェネレーション、蓄電池、電気自動車、ネガワット(節電した電力)を、IoT(モノのインターネット)を活用した高度なエネルギーマネジメント技術により束ね、遠隔・統合制御することで、あたかも一つの発電所のように機能させることをいいます。静岡県は、平成29年9月にふじのくにVPP構築協議会を設置し、先進事例を収集しながら事業推進を図る他、平成31年3月には再エネ発電事業者、需要家、機器メーカー、工事業者、市町等を対象とした構築セミナーを開催しました。また、特に夏季の冷房需用増大に対応するため、EMS(エネルギーマネジメントシステム)や、省エネ機器、地下水熱交換システムなどの技術に関する普及啓発にも努めています。
VPPの構築により、電気の安定供給と再生可能エネルギーの有効活用が図られるとともに、蓄電池の導入は自然災害時の非常用電源の確保にもつながると期待されています。
図1 2040sと2090sの冷暖房ピーク負荷の将来変化(1990s比)
(出典:曽我和弘(2014))
図2 ふじのくにVPPのイメージ
(出典:静岡県公式ホームページ「ふじのくにバーチャルパワープラントについて」)