気候変動による影響
近年、イギリスでは、異常気象や洪水に見られるような気候変動が衝撃を与えています。2013-14年及び2015-16年では、数十億ポンド相当の資産被害をもたらし、数千人の生活に支障が生じました。
掲載日 | 2021年1月29日 |
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分野 | 自然災害・沿岸域 / 産業・経済活動 |
地域名 | 海外(イギリス) |
近年、イギリスでは、異常気象や洪水に見られるような気候変動が衝撃を与えています。2013-14年及び2015-16年では、数十億ポンド相当の資産被害をもたらし、数千人の生活に支障が生じました。
政府支援のもと、保険会社、民間団体は円卓会議を設置し、「資産洪水レジリエンス・アクションプラン」を2016年に公表しました。アクションプランでは、洪水により被害を受けた家屋や建物の修復費用、心因的な負担を減らすため資産保全(Property Level Resilience、以下PLR対策)対策を提唱しました。PLR対策として、防水ドアや止水版、有孔レンガ防水カバー、逆流防止弁等の設置が洪水リスクに有益な管理として挙げられています(図)。また、PLR対策を普及するための目標として「洪水被害者への支援」、「小規模商業へのレジリエンスの組み込み」、「ワンストップ・ショップ(資産対策に関する情報共有のためのウェブサイト)の開発」、「基準や認証制度とその技術の開発」、「コミュニケーションと行動変化」の5つの作業グループからの提言と行動がアクションプランで紹介されています。
円卓会議の議長が所属する協力機関の1つでもあるBRE(Building Research Establishment)では、PLR対策を施した「レジリエントハウス」を自身が所有する実験用地「イノベーションパーク」に建設しており、その有効性を検証しています。検証結果は、上記のワンストップ・ショップにて紹介される予定です。
図 PLR対策の例
(出典:国土技術政策総合研究所「水技術政策に関する海外最新情報【H29-1 号】」)