気候変動による影響
オランダでは気候変動により将来極端な降雨が増加すると予測されており、大量の雨水への対応や都市部地下への貯水が急務となっています。
掲載日 | 2021年1月29日 |
---|---|
分野 | 自然災害・沿岸域 |
地域名 | 海外(オランダ) |
オランダでは気候変動により将来極端な降雨が増加すると予測されており、大量の雨水への対応や都市部地下への貯水が急務となっています。
水の価格設定化プログラム(注)「VPデルタ」は、公的な研究機関と民間企業が協働でデルタ地域の安全性、持続可能性、強靭性を目指すプログラムです。VPデルタは、よりスマートに都市部の雨水に対応するための新たなコンセプトの実験用地「ウォーター・ストリート」をデルフト工科大学に開設し、公開しました。
ウォーター・ストリートでは、都市部雨水に対応するための革新的技術が導入されています。例えば、貝殻を用いた「アーバン・レインシェル(図1)」は、豪雨による雨水が下水道への流出を防ぐと共に浄化を行い、処理された浄化水は消火活動や競技場への散水等の再利用を可能とします。また、道路表面の水を素早く吸収できる特殊な砂を用いた舗装「フローサンド」、天気予報と連動しオンライン操作で保水量の調整を可能とする雨水タンク「スマート・レイン・バレル(図2)」等が導入されています。
ウォーター・ストリートを研究や開発に用いることにより、全国的な気候変動への耐性と水害に強い取り組みへ向けた革新、新しい空間計画手法や気候変動対策への貢献が期待されます。
(注)Valorisation Programme Delta Technology & Water
図1 アーバン・レインシェル
(出典:Dutch Water Sector「VP Delta opens living lab facility for new storm water catchment concepts」)
図2 スマート・レイン・バレル
(出典:Dutch Water Sector「VP Delta opens living lab facility for new storm water catchment concepts」)